【宗像市】宗像の歴史の一端を物語る「尾降神社」城山西登山口すぐそばに鎮座♬赤間駅から歩いてみたら!
宗像市三郎丸に鎮座する「尾降(おさがり)神社」は宗像大宮司氏貞公により、城山(じょうやま)に築いた城から移されたという説もあり、興味ぶかかったのでたずねてみることにしました。
整えられた境内では、鎮守の神さまをうやまう地域の人々の思いを感じます。
そしてここは木もれ日のなか鳥のさえずりがきこえる、おだやかな空気につつまれた気持ちのやすらぐ場所です。
◇三郎丸に鎮座する「尾降神社」
晴れわたる空の下、三郎丸にある城山登山口をめざします。
赤間駅北口から歩いて25分ほどで城山西登山口に到着します。
この登山口のすぐそばに鎮座するのが「尾降神社」で、三郎丸地区をまもり続けている鎮守の神様です。
歴史ある神社と知り、赤間駅から歩いて行ってみました。
城山にはいる手前に長い階段があり、その上に鳥居をみつけます。
◇参道をのぼって
社殿につづく階段をのぼっていくと、すんだ空気のなかで鳥のこえと風の音だけが聞こえます。
世界文化遺産に登録された「宗像大社」は宗像の歴史の源であり、その大宮司という神職を代々つとめた宗像氏についてよく語られますが、この神社もそのゆかりの場所です。
宗像大宮司家最後の領主であった宗像氏貞公にまつわる伝説はいろいろな意味で多く残されています。
「尾降神社」の由来は氏貞公が、城山にあった居城から神社をうつした際に、神が降臨したから名付けられたという説があります。
城山の尾根から神が降臨したという、言い伝えにひかれてここまで歩いてきました。
歴史を感じさせるような古木がめだつ参道の階段をのぼり、一の鳥居を過ぎて二の鳥居へ進みます。
二の鳥居前に一対の狛犬が置かれていますが、見るとすぐ近くの拝殿前にも、もう一対おかれていました。
時代がことなるのか拝殿前の狛犬は、姿かたちにかなり違いがあるようです。
境内はきれいに整えられていて、地域の人が大切にしている場所だとわかります。
拝殿で参拝をすませるとすがすがしい気持ちを味わいました。
本殿の横にある灯ろうに、天保六年と書かれていて200年近くここに立っていることがわかります。
「天満宮」と扁額(へんがく)のある鳥居が社殿横にあり、その奥に境内社、末社がまつられていました。
境内社のかべに新しい由緒書きがはられていて、神社の祭神や由緒がわかります。
境内にある藤棚は立派で花のさかりには、さぞ良い香りがするのだろうと想像ができました。
境内にたつ木々は雄々しく、歴史の移り変わりをさりげなく見つめてきたことを物語っているようです。
この石に刻まれている年代は「寛延」となっているので、すくなくとも270年くらい前からここにあるのでしょう。
「尾降神社」は一度移されたのち、人々の鎮守の神として参拝しやすいように、さらにこの地に移されたという説もあるようです。
いにしえにおこった事柄は分かりませんが、古くからこの地域で人々の心のよりどころとして、この地を守ってこられた神社にはパワーを感じます。
元旦には「初日の出城山登山」といって「尾降神社」に初もうでをすませて城山に登る人が多く、とてもにぎわうそうです。
鎮守の神様に日ごろの感謝を伝えるよい機会となった散策ですが、意外と近いことに気がつきました。
ウォーキングがてら城山登山口まで歩いてみてはどうでしょうか。
◆「尾降(おさがり)神社」について
所在地/〒811ー4143 宗像市三郎丸271ー1
アクセス/赤間駅北口より徒歩25分・車で5分
※城山西登山口入り口です。