【東広島市】歴史のある古民家レストランで、ふっくら猪肉をじっくり味わう御膳!
イノシシ(猪)のお肉。筆者は子供だった約30年前によく食べましたが、豚肉がもっと締まったコリコリの食感は忘れられません。
その猪肉は最近10年ぐらいの間に、獣害対策も相まり、「ジビエ」と呼ばれて再びブームになりつつあります。カレーの具材として食べることはありますが、切り身を食べられる機会はなかなか無い…。と思いきや、食べられるお店がありました!東広島市の高屋町にあります、「郷のえき 山城」さんです!
お店の看板は、その背後の緑の山や石州瓦の民家とマッチした和やかさを感じます。
江戸時代に大きな庄屋さんだった築250年の古民家を利活用したレストランです。棟門をくぐると大きなお庭が現れまして、その右側に店入口があります。
広々とした店内は板張りの床(土足禁止)で、大きなガラス戸からお庭を眺められます。座席は掘りごたつです。…お、電子ピアノなど楽器一式が揃ったスタジオがあるぞ、と思いました(続きは後に書きます)。
座席でメニュー表を見て、「味付け猪肉御膳」(税抜1800円)を注文しました。猪肉カレー(900円)の他に山城御膳(1280円)、鱧釜飯御膳(1280円)、鱧しゃぶ御膳(1800円)もあります。猪肉は山口県の周防大島産、鱧も山口県の高級食材とのことです。
しばらくしてやって来ました。肉厚でボリューミーな猪肉を取り囲むように、9種もの小鉢、お味噌汁、ライスが並んでいて豪華です!
チャーシュー味に仕立てられた猪肉切り身はクセが無くあっさりとした味。締まった食感でありながら柔らかです(繊維に沿って綺麗に切れました)!脂身も味わい豊かでした。ライスとの相性は抜群!
まろやかなお味噌汁、コリコリとした大根酢漬け、程良い塩味の豚肉ズッキーニ炒めなど、多くのサイドメニューもそれぞれの個性を豊かに演出します。
食後に店長さんとじっくりお話をさせていただき、お店の開店のいきさつなどを詳しくお聞きしました。開店は5年前で、その後の猛烈なコロナ禍を経て今に至ります。山口県出身の店長さんは猟銃免許を取得してイノシシ狩りをする周防大島のご友人、鱧の漁師さんと、豊富なネットワークを生かして産物を直接輸送してもらっています。
店長さんは音楽家としても活躍されていて、和太鼓や保育園でのリトミック演奏など大忙し。筆者との話の流れで、即興で曲を演奏ということになり、前述のスタジオでオカリナを演奏してくださいました。「かごめかごめ」をアップテンポ調にアレンジの曲です。
電子サウンドのBGMに乗って、伸びやかで心地良いオカリナの旋律が響き渡りました。非常に見事な演奏でした!
進取の精神に富む店長さんの湧き上がる思いはとても大きなものでした。お店で飲食提供をするだけでなく夏祭り(今月20日開催)などイベントも多く企画されていますが、その根底にあるのは「子どもたちのため」など世のため人のために、です。インバウンドが拡大する世の情勢を読み、いずれお店を「書道、華道、甲冑などの日本文化を外国人観光客に楽しんでいただける」ことも目指しています。広島空港の国際便が拡大して訪日(訪広)客が増えると、空港から観光バスで約30分という高屋町の地の利は大いに生きると思います!
様々なこだわりの食材を使ったメニューに富むこのお店。店長さんのおススメは、厚さ5センチのトンカツを一時間かけてじっくり調理する厚切りトンカツ御膳(1800円)。モサ(サメ)料理も、世の多くのサメ身が発する臭み(アンモニア由来)が無くて美味しいそうで、気になってしまいます!
ゆっくり長時間滞在のお客さんを想定しているお店です。現在は子育て中のママさんがゆっくり過ごせることに力を入れています。小さな子供が遊べるおもちゃも揃っていますし、メニューにお子さまプレート(800円)もあります。
(了)
文・写真 中本祥二
郷の会喜(えき) 山城
広島県東広島市高屋町郷158-1
営業時間:11:00~15:00(ラストオーダー同じ)、17:00~21:00 ※火・水曜はランチタイムのみの営業
定休日:不定休
お問い合わせ先:082-490-5220
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