梅雨明け猛暑と大雨の共存型 来週にかけて熱帯低気圧の北上にも要注意
猛暑と大雨の共存型
きょう16日(金)午前11時、関東甲信と東北地方の梅雨明けが発表されました。
上図を見ていただくと、勢力が強まった太平洋高気圧にスッポリと覆われてきており、来週中頃にかけて、比較的安定した夏空が続くでしょう。
そして内陸を中心に35度以上の猛暑日の所も一気に多くなり、特に東北地方では、福島、山形、岩手などを中心に、週末は37度~38度の体温を上回るような猛烈な暑さとなる所もある予想です。また関東甲信には高温に関する情報も出されていますので、各地で梅雨明けと共に熱中症に厳重な警戒が必要です。
きょうこれまでの気温は気象庁HPで確認できます。
一方、西日本ではかなり様相が異なります。
週末は太平洋高気圧の勢力がまだ四国や九州には届かず、南海上からの暖湿気の進入を許す形となるからです。さらに沖縄の南で発生が予想される熱帯低気圧周辺の暖湿気も流れ込んでくるでしょう。
そしてもう一つ気がかりなのが、日本付近を西進した上空の寒気が、まだ週末にかけても九州付近に留まる予想となっていることです。
これらの悪条件が重なり、四国や九州の太平洋側では、18日(日)頃まで長丁場の雨が降り続き、局地的には雷を伴って、非常に激しく降る見込みです。
タイトル画像にある通り、コンピュータの計算では、きょう16日(金)午前9時~あす17日(土)午後9時までの36時間の予想雨量は、高知、宮崎、大分を中心に300ミリ以上の紫色の所も出ており、場所によっては7月一か月分以上の雨が降る計算です。
17日(土)未明から朝に危険度急上昇のおそれ
先々週の土曜日は東海や関東で記録的な大雨となり、先週の土曜日は九州に大雨特別警報が出されるなど、このところ土曜日の午前中に際立った大雨に見舞われていますが、あす17日(土)も油断できない状況です。
あすに日付が変わる頃から湿った南東風の吹き付ける宮崎や大分で一段と雨雲が発達し、同じような所で強い雨が降り続く予想で、これが非常に激しい雨を伴うような場合には、一気に大雨の危険度が上昇してもおかしくありません。
線状に延びる活発な雨雲の発生懸念も
上図はアンサンブル予報と言い、わずかに異なる複数の数値予報を行ってその結果を統計的に処理したもので、基本的にはその結果が揃っていればいるほど確からしい予想と言えます。
あす17日(土)午前9時までの3時間降水量のアンサンブル予報では、半数近くの計算で、九州南東部に南から突き刺さるような活発な線状の雨雲の列が予想されており、もしこのような雨雲が発生し、進入するような地域では、予想を逸脱するような豪雨に見舞われてもおかしくありません。
しかも今の計算で危険度が大きく上昇するおそれのある時間帯が、暗い真夜中から朝の内にかけてとなりそうです。
宮崎県や大分県の方は自治体から避難情報が出ていれば、それに従ってもらい、仮に避難情報が出されていなくとも、真夜中に土砂災害や洪水などの危険度が一気に上昇する可能性がありますので、今夜は念のため、安全な場所へ避難するか、もし屋内に留まる場合は、なるべく高い所、あるいは崖や山の斜面からは一番遠い部屋でお休みになった方がよさそうです。
命を守る行動は空振りより見逃しが危険ですから。
発生する熱帯低気圧の動向にも要注意
日本の南やフィリピンの東であちらこちら真っ白な積乱雲が湧きたっていますが、この内赤い丸の中の雲域が今後まとまり、週末にかけて、熱帯低気圧として、沖縄の南へゆっくりと北上してくる見込みです。
来週にかけての動向は様々な計算があり、非常に不確実ながらも、今のところ、最も可能性が大きいという点では、来週半ばにかけて、沖縄付近へ接近し、しかも台風の勢力となるかもしれないという見立てです。
ただ計算はかなりばらついていますので、来週にかけては、今後発生が予想される熱帯低気圧からも目が離せない状況です。