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3年連続勝率8割、タイトル初挑戦の道を快走中の藤井聡太七段(17)A級棋士・稲葉陽八段(31)と対戦

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 3月24日。大阪・関西将棋会館において王位戦リーグ紅組▲藤井聡太七段(17歳)-△稲葉陽八段(31歳)戦がおこなわれます。

 ここまでのリーグ成績は藤井七段2勝0敗。稲葉八段1勝1敗。挑戦権争いに向けて、藤井七段が突き放すか、それとも稲葉八段が追いつくかという、重要な一局となります。

 また藤井七段にとっては、3年連続勝率8割超えという、過去に例のない途方もない大記録もかかっています。

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 稲葉八段と藤井七段は過去に2回対戦しています。

 1局目は2017年11月、NHK杯3回戦。この年度、29連勝を達成するなど、当たるべからざる勢いの藤井四段(当時)に対して、名人挑戦の経験もあるA級強豪の稲葉八段がどう立ち向かうかが注目されました。

 稲葉八段が先手で、戦型は相掛かり。藤井四段はあえて歩を取らせ、手得を主張する指し方で臨みました。対して稲葉八段の中盤の指し手は的確で、巧みにリードを奪っています。

 終盤、藤井四段は時に奇手をおりまぜて妖しく粘り、形勢は混沌としていきます。しかしそこで稲葉八段は崩れず、最後は169手もかかる大熱戦を制しています。

 2局目は2019年1月、朝日杯本戦1回戦。稲葉八段先手で、戦型は角換わり腰掛銀。現代最先端の戦いで、後手番の藤井七段が華麗な攻めを見せ、98手で押し切りました。

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 以上の通り、両者のここまでの対戦成績は、稲葉八段1勝、藤井七段1勝となっています。

 対局開始は10時。持ち時間は4時間。昼食休憩をはさんで、通例では終局は夜となります。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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