九州より関東で雨の降りやすい変則パターンに 今後熱帯擾乱が北上する可能性も
西より東で雨が多い変則パターンに
きょう19日(土)午前11時、東北地方の梅雨入りが発表されました。(速報値)
これで沖縄から東北にかけて、気象庁が梅雨の情報を発表する全ての地域で梅雨を迎えていることになります。
ところで週間予報をみると、東京は毎日のように傘マークが付いているのに対し、西日本は傘マークどころか、晴れマークが目立つ予報となっています。
これはどうしてでしょうか?
実は太平洋高気圧の強まり方に秘密があります。
太平洋高気圧が日本の南東海上で強いパターン
上図は来週23日(水)の太平洋高気圧や梅雨前線の予想をあらわしたものです。
オレンジや赤色で示した領域が太平洋高気圧の勢力圏内で、日本の東から南東海上でかなり強い予想となっています。
このような場合、その北側に位置する梅雨前線の雨雲は沖縄から関東にかけて突っ立つように停滞するため、九州よりも関東で雨が降ることが多くなります。
通常は九州から関東にかけて横たわることの多い梅雨前線ですから、少々変則的なパターンではありますが、わりと起こりやすい変則パターンとも言えるでしょう。
また太平洋高気圧の中にスッポリと穴の開いた円形の部分がありますが、これははるか南の海上から北上してくる可能性のある熱帯擾乱(ねったいじょうらん)とみられます。
熱帯擾乱とは熱帯地方に発生する大気の乱れで、まとまれば熱帯低気圧や台風に発達することがあります。(熱帯低気圧や台風も熱帯擾乱に含まれます。)
今回の熱帯擾乱がどこまで発達するのか、あるいはその進路などは、種々の計算にまだかなりのばらつきがあり、不確実な状態ですが、もし梅雨前線にこのような熱帯擾乱が絡んでくれば、梅雨前線の活動をより活発にすることも考えられますので、今後注視する存在となるかもしれません。