ロシア空母クズネツォフ、シリア空爆を開始
11月15日、地中海のシリア沖に進出したロシア海軍北方艦隊の空母「アドミラル・クズネツォフ」がシリア空爆を開始したとロシア国防省が発表しました。ロシアの保有する空母が実戦に参加するのは史上初です。また黒海艦隊から合流したフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」も巡航ミサイルを用いて攻撃に参加したとされています。
今回使用された巡航ミサイルはこれまでもロシア海軍がシリア攻撃に使用してきた亜音速巡航ミサイル「カリブル」に加え、超音速巡航ミサイル「オーニクス」の地上発射型「バスチオン」が投入されたことが発表された動画で確認できます。バスチオンは高速ですがカリブルより射程は短く、車載式の発射システムをシリア領内のロシア軍基地に持ち込んで使用したと思われます。バスチオン(オーニクス)の実戦使用は初めてになります。
- カリブル巡航ミサイルとバスチオン巡航ミサイルによるシリア攻撃
- ロシア国防省公式よりシリア攻撃準備中のフリゲート「グリゴロヴィチ」
- ロシア国防省公式より空爆作戦の直前に訓練を行う空母「クズネツォフ」
バスチオン巡航ミサイルはマッハ2.5を発揮する超音速巡航ミサイルで、本来は対艦ミサイルですが対地攻撃能力も付与されています。その高速性は敵の迎撃を掻い潜る為の物であり、高度な迎撃能力が無いシリアの反政府武装勢力を相手に使う意味はとても薄く、わざわざ持ち込んで使用したのは実戦テストを行う意図があったものと思われます。