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3月からハワイへ行ける?ワクチン3回接種で帰国後の待機もなしに。フライト・入国条件・帰国後の流れは

鳥海高太朗航空・旅行アナリスト 帝京大学非常勤講師
ハワイ旅行も3月から物理的には可能に(2021年8月、ワイキキにて筆者撮影)

 3月1日から日本入国時の水際対策が緩和されることで、オミクロン株の感染拡大地域以外から入国においては、ワクチン3回目を接種済みであれば帰国後の隔離がなくなる。日本国内の感染者数が多い状況にはあるが、ハワイ州を含むアメリカ全土は3月1日以降は感染拡大地域以外になることから、物理的にはハワイへの旅行が本格解禁となる。

 日本人観光客が多いハワイへはこれまで長い間、帰国後14日間の自主待機が必要で(時期によっては10日間・7日間だったことも)、更に感染者数が多い時には検疫所が指定する宿泊施設での3日間もしくは6日間待機も必要だったことでハワイへの旅行が遠のいてしまったが、3月1日以降は日本の水際対策緩和によって久しぶりにハワイへ出かけることが可能となる。

参考記事:3月1日から海外帰国時の待機ルール大幅緩和。日本人の海外出張・海外旅行は?3回接種で待機期間なしも(2022年2月27日掲載)

ダニエル・K・イノウエ国際空港(ホノルル空港)に駐機するハワイアン航空とANA。ANAのエアバスA380型機は現在運休中であるが、再投入時がハワイ旅行の本格復活になるだろう(2021年8月、筆者撮影)
ダニエル・K・イノウエ国際空港(ホノルル空港)に駐機するハワイアン航空とANA。ANAのエアバスA380型機は現在運休中であるが、再投入時がハワイ旅行の本格復活になるだろう(2021年8月、筆者撮影)

ワクチン3回目接種でハワイから帰国後、日本国内での行動制限がなくなる。帰国翌日からの出勤も可能に

 最大のネックになっていたハワイから日本帰国後の流れについては、3月1日以降、ハワイから帰国した際に羽田空港や成田空港などで抗原検査を受けて陰性であれば、入国手続き後、日本国内で接種している場合においては、ワクチン3回目接種を終えていれば、到着ロビーに出た段階でコロナ前同様に自由に行動することができる。自宅などでの自主待機も不要で、公共交通機関を利用して自宅に戻ることが可能だ。更に行動の制限がないことから、当日もしくは翌日から会社へ出勤することも特段問題ない。

2回接種者は、帰国後最短3日間の自主待機に。公共交通機関で自宅に戻れるようになる

 また2回以下のワクチン接種の場合は、到着ロビーに出るまではワクチン3回目接種者と同じであるが、最低3日間の自主待機が必要となる。自主待機場所は自宅もしくは自己手配のホテルなどになるが、従来までと大きく異なるのは到着空港での新型コロナウイルスの検査から24時間以内に限って、自宅などの自主待機場所までの公共交通機関の利用が認められることで、地方在住者でも新幹線や国内線を使って自宅に戻れるようになる。

 自主待機期間は7日間に指定されているが、3日目に指定機関でPCR検査もしくは抗原検査を受けて陰性で、結果を入国者健康確認センターへアプリ経由で送付し、待機終了のお知らせが来れば待機終了となることから3日間(到着日は含まないので実質4日間)で終了となる。

 ワクチンの3回目接種を終えていれば、コロナ前の同様の旅行が可能であり、ワクチン2回の場合は3日間の自主待機期間の問題さえクリアできればハワイへ出かけることが可能になる。

日本出発前にESTA、ワクチン接種証明書、PCR検査の陰性証明書の準備が必要。18歳以上のワクチン未接種者は原則渡航不可

 しかしながら、ハワイへ向かう際には事前に各種証明書を準備しなければならない。まずはコロナ前から必要なアメリカへビザなしで向かう際に必要な「ESTA(電子渡航認証申請)」を取得した上で(2年間有効)、英文で書かれている海外用のワクチン接種証明書を自治体経由(マイナンバーカードがある場合にはスマートフォンアプリからの申請も可能)で事前に用意する必要がある。

 ハワイを含むアメリカへの入国においては18歳以上はワクチン接種(日本国内での接種の場合は2回接種)が義務づけられており、少なくても最後の接種から14日以上経過している必要があることから、ワクチンを接種していない18歳以上の入国は原則認められていない。18歳未満はワクチン未接種でも一定条件で入国可能となっている。

 更に出発1日前にPCR検査の陰性証明書の取得(英文)が必要となる。1日前の定義は24時間前ではなく前日という定義になるので、ハワイ便は原則夜出発であることから、出発の前日朝~当日にPCR検査を受け、結果は飛行機のチェックイン時までに間に合えば問題ない。英語で発行してくれる海外渡航用の陰性証明書で発行してくれる検査施設で受ける必要がある。

ホノルル到着後はコロナ前と変わらない通常通りの入国審査で入国可能。帰国前にはPCR検査の陰性証明書取得が必須

 これらの証明書を準備した上で、チェックイン時にアメリカのCDC(疾病予防管理センター)の誓約書(各航空会社のホームページなどからダウンロード可能)も提出した上で、パスポートや航空券を提示して利用する航空会社のチェックインカウンターで搭乗手続きを行う。日本出発前の手続は面倒であるが、ホノルル到着時の入国審査はコロナ前と変わらず、スムーズに入国することが可能である。現状、国際線の到着便が少ないことから、到着後30分以内に外に出られることも多い。

ダニエル・K・イノウエ国際空港(ホノルル空港)の到着エリア(2021年8月、筆者撮影)
ダニエル・K・イノウエ国際空港(ホノルル空港)の到着エリア(2021年8月、筆者撮影)

ハワイではレストランの多くでメニューがQRコードでスマートフォンから読み取るスタイルが増えている(2021年6月、筆者撮影)
ハワイではレストランの多くでメニューがQRコードでスマートフォンから読み取るスタイルが増えている(2021年6月、筆者撮影)

 ハワイ到着後は、隔離や待機などの制限はなく、到着後すぐに自由に動くことが可能となっている。ワクチン接種証明書(英文)があれば、ハワイ州で食事などをする際に必要な「セーフアクセスオアフ」プログラムにも対応する。

日本人のハワイリピーターに人気の「星野リゾート サーフジャック ハワイ」。ハワイのホテルは通常通りに営業している。
日本人のハワイリピーターに人気の「星野リゾート サーフジャック ハワイ」。ハワイのホテルは通常通りに営業している。

 そして日本への帰国前には、日本に入国するにあたり、ハワイを出発する72時間以内のPCR検査が義務づけられている。ワイキキなどでは日本語で対応する検査センターが複数あり、当日もしくは翌日に結果が出る。唾液での検査も可能なクリニックも多く、相場的には200USドル前後(約2万3000円)になっている。PCR検査の陰性証明書を取得することで、帰国日に日本行きの便のチェックインが可能となる。

ワイキキには日本語対応のPCR検査が受けられるクリニックもいくつかある(2021年7月、筆者撮影)
ワイキキには日本語対応のPCR検査が受けられるクリニックもいくつかある(2021年7月、筆者撮影)

日本からハワイへの便は5つの航空会社が運航中

 このように必要な手続きを済ませることでハワイ旅行は3月以降、出かけやすい環境が整うことになるが、日本からハワイへ便は大幅減便になっているが、一定便数は運航されている。3月時点では5つの航空会社が日本からホノルルへの便を運航している。

ANA

羽田~ホノルル(週3便)※羽田・ホノルル発共に月・金・日発

JAL

羽田~ホノルル(週3便)※羽田発は火・金・日、ホノルル発は月・水・土

成田~ホノルル(週6便)※成田発は月~土、ホノルル発は火~日

ハワイアン航空

成田~ホノルル(週3便)※成田発は火・木・土、ホノルル発は火・木・日

関西~ホノルル(週1便)※関西発は木、ホノルル発は火

ユナイテッド航空

成田~ホノルル(週3便)※成田発は火・木・土、ホノルル発は月・水・金

ZIPAIR(JALグループの国際線中長距離専門のLCC)

成田~ホノルル(週3便)※羽田・ホノルル発共に火・木・土発

 最新の運航状況及び4月以降の運航便については各航空会社のホームページより確認していただきたい。

2020年12月に成田~ホノルル線に就航したZIPAIR(成田空港にて筆者撮影)
2020年12月に成田~ホノルル線に就航したZIPAIR(成田空港にて筆者撮影)

ルールは頻繁に変わることから最新情報の確認が必要

 上記のようにハワイへの便も一定便数は運航されており、ハワイへの旅行は3月1日から本格的に可能となる。ただ、新型コロナウイルスの感染状況によって出入国のルールが変更されることもあるので、最新情報を確認した上でハワイ旅行の計画を立てていただきたい。

航空・旅行アナリスト 帝京大学非常勤講師

航空会社のマーケティング戦略を主研究に、LCC(格安航空会社)のビジネスモデルの研究や各航空会社の最新動向の取材を続け、経済誌やトレンド雑誌などでの執筆に加え、テレビ・ラジオなどでニュース解説を行う。2016年12月に飛行機ニュースサイト「ひこ旅」を立ち上げた。近著「コロナ後のエアライン」を2021年4月12日に発売。その他に「天草エアラインの奇跡」(集英社)、「エアラインの攻防」(宝島社)などの著書がある。

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