ロシア軍がミサイル127発と自爆無人機109発の合計236発でウクライナを大規模攻撃、85%を撃墜
8月26日にロシア軍がミサイル127発と自爆無人機109発の合計236発でウクライナ全土を大規模攻撃し、ウクライナ防空部隊は201目標を撃墜し85%を阻止しました。しかし迎撃を突破した幾つかの攻撃で電力施設が破壊され深刻な影響が生じています。キーウ貯水池の水力発電所まで被害を受けています。
2024年8月26日迎撃戦闘 出典:ウクライナ空軍司令部
- キンジャール空中発射弾道ミサイル×3飛来1撃墜
- イスカンデルM/KN-23弾道ミサイル×6飛来1撃墜
- Kh-22空中発射超音速巡航ミサイル×3飛来1撃墜
- Kh-101空中発射巡航ミサイル×77飛来+カリブル艦船発射巡航ミサイル×28飛来+Kh-59/Kh-69空対地ミサイル×10飛来=亜音速巡航ミサイル合計115飛来99撃墜
- シャヘド136/131自爆無人機×109飛来99撃墜
※幾つかの未迎撃のシャヘド136/131自爆無人機は迷走し到達せず、2発はベラルーシに向かって飛んで行ったことをウクライナ側で確認。またポーランド側からはロシア無人機のポーランド領空侵入があったと発表。
- 高速ミサイル12飛来3撃墜(阻止率25%)
- 低速ミサイル115飛来99撃墜(阻止率86%)
- 低速ドローン109飛来99撃墜(阻止率90%)
※高速ミサイル(キンジャール、イスカンデルM/KN-23、Kh-22)、低速ミサイル(Kh-101、カリブル、Kh-59/Kh-69)、低速ドローン(シャヘド136/131)
8月26日の迎撃戦闘は長時間続き、ウクライナ空軍司令部からの敵目標飛来数の集計発表がなかなか出ませんでした。また亜音速巡航ミサイル3種類(Kh-101、カリブル、Kh-59/Kh-69)を撃墜した内訳が全て足された状態です。混乱した迎撃戦闘の中で飛行特性が似ている亜音速巡航ミサイルについて撃墜時点での種類の見分けが一部出来なかったのでしょう。
Kh-101巡航ミサイルの発射は7月12日の5発以来、カリブル巡航ミサイルの発射は7月8日の14発以来です。暫く発射を控えて貯め込んでいた生産分を8月26日(Kh-101×77発、カリブル×28発)に一挙に使って来ました。
※ただし8月18日報告の公式記録にある「種類不明巡航ミサイル」の3発がKh-101である可能性。出典:ウクライナ空軍司令部(2024/08/18)
今回の8月26日の攻撃は総合計236発中、弾道ミサイルや超音速巡航ミサイルなど迎撃が困難な高速ミサイルは12発だけです。攻撃の主力は低速の亜音速巡航ミサイルと長距離自爆ドローンで実施されています。しかし低速ミサイル・ドローンが撃墜しやすいといっても100%阻止はなかなか難しく、224発中198撃墜では26発が突破して来ています。迷走したドローンを除外しても20数発を被弾して電力施設に被害が及んでいるので(これに高速ミサイル突破分の9発も加わる)、深刻な状況です。
今回の大規模攻撃でロシア軍はキーウ水力発電所(Київська ГЕС)まで狙ってきました。ダムそのものを破壊する意図は無く発電設備のみ破壊しようとする攻撃で、今回は重大な損傷は生じていませんが、もしも少し間違えてダムの構造体が破壊された場合、ドニプロ川を堰き止めている大きなダム湖であるキーウ貯水池が決壊すると市街が濁流に沈んでしまい凄まじい大被害が生じかねません。
キーウ水力発電所:位置座標(50.588362, 30.512253)
攻撃を受けるキーウ水力発電所