ドナルドトランプ氏の俺様商標戦略について
「抜け目ない暴言王・トランプ氏 知られざる“先見の明”」という記事を読みました。米大統領選共和党指名候補者の米不動産王ドナルド・トランプ氏が「セントラル・パーク」の商標権を所有してグッズ販売でライセンス料を稼いでいるという話です。ニューヨーク市当局等に抜け目なくうまく取り入って反発なく商標権を取得できたという裏話が紹介されています。まあ、トランプ氏の本業に比べればグッズのライセンス収益など知れていると思うのですが。
さて、この商標登録を欧州共同体商標意匠庁(OHIM)のデータベースTMVIEWで検索してみると、権利者が法人ではなくドナルド・トランプ氏個人であることがわかりました。自分の事業会社や資産管理会社ではなく、個人の名義で商標権を所有しているのは珍しいのではないかと思います。もちろん、個人から事業会社にライセンスをするという形になっているのだとは思いますが。
ついでに、同氏が米国で個人名義で所有している商標登録(および審査中出願)をUSPTOのデータベースTESSで検索してみるとなんと294件もヒットします。多くが商標自体にTRUMPの文字を含んでいます。同氏のキャッチフレーズ"Make America Great Again"も既に登録されています。
一般に、(法人ではなく)個人で商標権を所有する場合のデメリットとしては、訴訟になった時の費用が自腹になってしまう、公報等により個人の住所が世の中に明らかになってしまう等があると思いますが、トランプ氏の場合はどちらもたいした問題ではないということでしょう。まあ、同氏らしい俺様ぶりと言う他はありません。