まさかHSPは「適応障害」の発症リスク!?オススメの日常のケアについて
こんにちは、精神科医しょうです。
「適応障害」は環境が変わるような出来事の後で発症してしまうことがあります。
たとえば、進学や就職、結婚、引っ越しなどは、人が成長し社会生活を営んでいく上で経験する転機ですが、感じている以上にストレスをもたらすものです。
生まれ持った性格や気質、置かれている環境によって発症には個人差があるものと考えられますが、ストレスに対して抵抗力が弱い人はかかりやすいと言われています。
特にHSPさんは、どちらかと言うとストレスを抱え込んでしまう方が多いです。
そこで今回はHSPさんと適応障害について考えてみたいと思います。
HSPさんが「適応障害」を発症すると表れる症状とは?
適応障害を発症すると精神面としては「気分の落ち込み」「不安感や恐怖心を抱く」「涙もろくなる」などの症状が表れます。
また、行動面では不安感にともない「飲酒」「暴力」「引きこもり」などがあげられます。
一方で、表面上は落ち着いているように見えることもあるため、本人の内心と周りのとらえ方との間に差が生じてしまうことがあります。
しかし、急に会社や学校をさぼったり、ひどいことを言ったりし出すこともあるので、周囲から理解されず、孤立してしまうこともあるため、注意が必要です。
HSPさんの場合は、苦しいことを常に我慢してしまう傾向から、症状が目に見えて表れるタイプよりも表面上は変わらないタイプの方が多いのではないかと思います。
幼少期の育てられ方によっても発症リスクは変わる?
生活環境が変わると、新たな期待や要求にこたえたいという「欲求」と「ありたい自分」の間で葛藤が生じます。
その葛藤を何とかしようとする本能が「防衛」です。
防衛とは現実に適応しつつ、心のバランスも保てるようなメカニズムのことを言います。
たとえば、上司に怒られたことをいつの間にか忘れてしまうことや、上司には向けることができない怒りを部下にぶつけてしまうなど、今日明日を乗り越えるためのテクニックとも言えるでしょう。
防衛が身に付くのは幼児期(3~5歳ころ)の過ごし方が大切だと言われており、常に心の拠り所として支えてくれる「親」の存在が重要とされています。
幼児期に親の支えがなかった人は、防衛の形成が妨げられ、成人してからストレスに適切に反応できないケースもありえます。
仕事や勉強が続けられない時は…
「適応障害」にかかっているかどうかは、自分ではわかりにくく、勝手な判断は禁物です。
ストレスの原因として、はっきり自覚している出来事があるにしても、その悩みや苦しみが度を越えた病的なものであるのか、正常範囲内のものなのかは自分では測りようがありません。
しかし、仕事や勉強に集中できず支障をきたしていると感じているのであれば、出来る限り早めに医療機関を受診しましょう。
受診するかどうか迷ったら「受診する」を選択するのが賢明です。
早めに受診をしていれば、適応障害で済んでいたものが、放置し症状が重くなるとうつ病に変わってしまうこともあり得るからです。
適応障害の場合は、通常であれば適切な治療をし、ストレス要因から離れることで症状が軽快していきます。
不安や恐怖などの感情を抱き続けることは、心身に大きな負荷がかかってしまいます。
早期に受診し、自分のラクな気持ちとペースを取り戻すようにしましょう。
HSPさんにオススメの日常生活でのケアは?
適応障害の予防策として、まずは日頃から気にかかっていることを、信頼のおける人に自由にしゃべってみることをオススメします。
相談をしてアドバイスを受けることが目的ではなく、気にかかっていることを、その場で思いのまま浮かぶ言葉で表現してみましょう。
その際には、いつも批判的なことを言う人や感情的になって、一方的にアドバイスを言ってくる人は避けるようにしてくださいね。
話をじっくりと傾聴し、ありのままのあなたを受容してくれるような人を選んで話すようにしましょう。
もしかしたら、話すことで感情が整理され、今までとは違ったものの見方やとらえ方ができるようになるかもしれません。
家族や友人に話すことが難しい場合は、臨床心理士や心理カウンセラーに相談することもオススメです。
まとめ
今回はHSPさんと適応障害について考えてみました。
適応障害に限らず、その他の病においても幼少期の育てられ方も発症に影響を及ぼすものと考えられます。
自身の性格や思考に及ぼしているものが何なのか?振り返ってみることも、病を予防する方法の一つではないでしょうか。
固執しているとらえ方や考え方が変わると、「生きやすさ」にもつながります。
私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。
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