米ユタ州を襲った洪水 12人死亡
東日本を襲った未曾有の大洪水から一週間。一方、アメリカでも突然の洪水が発生しています。
それは、現地時間14日(月)にユタ州南部の街ヒルデールで起こりました。突如道路が川のようになり、12人が死亡、1人が行方不明となったのです。
この映像には、川と化した道路に止まっている車の中から、次々と人々が救出される様子が映っています。
この突然の洪水の原因は、この周辺で降った突然の雨でした。その雨が一気に、山あいを縫ってヒルデールの街に押し寄せたのです。
アメリカンモンスーン
モンスーンといえばアジアを連想しますが、アメリカ南西部にも存在します。いわゆる季節風によってもたらされた雨季のことです。ユタ州南部は、7月から9月の半ば頃がモンスーンシーズンで、しばしば洪水や土砂崩れは発生します。
洪水の恐怖
アメリカにおいて、最大の人的自然災害は、洪水です(過去50年の統計)。平均すると毎年約70人が、洪水で命を落としています。そのうち、運転中に亡くなる人の率は最も高く、約40%にも及びます(2012年データ)。
それは、道路が浸水していても、水の深さがわからないので、運転手が無理に運転してしまう場合が多いからです。しかし、車は意外にも水に弱く、たった50cmの深さの水でさえも、車は浮かんで流されてしまうのです。
また、水深が60cmを超えると、成人の男性でも車のドアを開けて逃げることは難しくなります。意外なことに、ワゴン車のようなスライド式のドアの方が、開けにくくなるのだといいます。それは。押して引くという二重の動作を要するからのようです。
アメリカではこんな標語がよく聞かれます。
「Turn around, don’t drown (戻れ!おぼれるな!)」
冠水した場所は、想像以上に水深が深いことが多いので、無理せず引き返す勇気を持つことが大事でしょう。