福岡の歴史ある名店の豚骨ラーメンは〈地元民のソウルフード〉来年創業80年を迎える長浜ラーメンの老舗

ラーメンアンテナ｜福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

1/30(火) 8:00

福岡の長浜屋台からスタートし「創業79年」を誇る老舗。現在は、福岡市中央区長浜の那の津通り沿いに大箱で店舗を構えている〈長浜屋台一心亭本店〉。元祖の中の元祖として知られる「元祖長浜屋」さんよりも、その歴史は長く、長浜ラーメンが誕生した昭和20年代の同時期から長年にわたり福岡の人々に愛され続けてきたお店だ。

現在〈長浜屋台一心亭本店〉は「長浜御殿」4店舗を擁する「ウエキフーズ」の系列店に入っている。当時、両店が一緒になるきっかけのお話しをうかがったところ、一心亭本店のご主人と長浜御殿の会長さんが昔からの知り合いだったこともあり、お店を譲り受け、今の体制に至っているとのこと。そういった経緯もあり、現在、両店のラーメンやメニューの内容については、まったく同じという訳ではないものの、かなり似ている構成になっている。ちなみに福岡市早良区小田部の「一心亭本店」さんや博多区那珂の「博多一心亭」さんとの関係性はない。

平日のお昼は「サービスランチ」がお得

今回、平日のランチタイムの終わり頃に訪問し、メニュー構成を確認したところ、土日祝を除く、平日のお昼（11時〜14時）は「サービスランチ」がとてもお得。「かえ玉ランチ」は、ラーメン＋かえ玉1回分が付く人気メニューで590円（50円お得）。ラーメン＋ギョーザの「Aランチ」は690円（130円お得）。ラーメン＋ギョーザ＋おにぎり1個の「Bランチ」は770円（200円お得）と、どれもお値段以上のお得感がある。

屋台のような一品料理があるメニュー構成

14時からは、一般メニュー＝夜メニューに切り替わり、御殿ともかなり近しいメニュー構成になる。ラーメン類の他に、お酒のお供の一品料理は「おでん」類や名物の「とん足」「やき豚（チャーシュー）」「酢もつ」などの屋台的な人気メニューが並ぶ。残念ながら御殿名物の一つ「骨付カルビ」は無い。

シメにいただく「ラーメン」といった風情

こちらのお店の最高の楽しみ方は、やはり「おでん」や「ギョーザ」などの一品料理をおつまみに（室内だけど）屋台感覚でお酒のお供にいただくこと。ササッと飲んで食べてした後の、シメにラーメンをいただくのが地元の皆さんの楽しみ方の一つだ。特に夜は、深夜まで開いているので、友人や知人とワイワイと居酒屋さん感覚で利用するのがとても楽しい。

一心亭本店と御殿のラーメンの違いはある

〈長浜屋台一心亭本店〉のラーメンは、長浜ラーメンの中では比較的濃い部類に入る昔ながらの豚骨ラーメン。それでも決して重たくはなく、あっさりとしながらもコク深い味わいがある。その基本的なラーメンは、一心亭本店も御殿のどのお店も同じ豚骨のスープと自家製のストレート細麺を使用。ただし今もなお、各お店ごとにスープを炊いているので基本的に同一のレシピ、同様の炊き方でおこなわれていたとしても若干のブレはあるので、その違いは各店の持ち味として存在している。

また、一つだけ〈長浜屋台一心亭本店〉と「長浜御殿」のラーメンの違いがあるとすれば、それは明確な味の決め手となる「カエシ（元ダレ）」の違いで、今も変わらず両店では別のカエシを使っているそうだ。歴史ある老舗〈長浜屋台一心亭本店〉の、地元に根ざした王道の味をこの機会にぜひ体感してほしいと思うと同時に、ぜひ系列各店との違いなども感じていただけるといいなぁと思う。

ラーメンのメニューの種類が豊富

レギュラーメニューのラーメンの種類が豊富で「辛子高菜ラーメン590円」「月見ラーメン620円」「もやしラーメン640円」「大盛ラーメン640円」があり御殿には「月見」や「もやし」は存在しない（ただしトッピングする具材が各店にあれば可能）。

最高値の「チャーシューメン820円」は御殿の「やき豚ラーメン」と同等だけど、80円ほど高く、チャーシューの枚数が多くなっている。

地元に支持され続けるソウルフード

席数は全部で50席弱。カウンターが20席ほどと、4〜6人掛けのテーブル席が5つほどある。テーブル席が多いこともあり、お一人様に限らず、近くの会社のグループや地元の方々のご家族連れや友人同士での利用も多く、長らく支持され続けてきた、まさにソウルフード。特に夜は「ラーメン居酒屋」としても使える感じでとても便利。また近年、白基調だった店内を、木目調と朱色系に改装したばかりだから、店内は、とてもきれいで落ち着く雰囲気になっている。

最寄りの駅は、福岡市営地下鉄「天神駅」と「赤坂駅」の両駅から近く、徒歩10〜15分ほど。大きな「那の津通り」に面していて「舞鶴小中学校」のある交差点のすぐ近なので分かりやすい。店先に3台分の駐車場があり、車で訪れても利用しやすい。ただし、ランチタイムは特に混み合うので、時間をずらして行くのをおすすめしたい。