センバツスペシャル!究極の抽選が4年ぶりに復活! 準々決勝まで同地区同士の対戦は回避
センバツの抽選会は3月10日、36校主将を集めて行われることになった。4年ぶりのリアル開催となる。新型コロナの影響でこの2年はリモート開催となり、センバツならではの複雑な抽選を行えないことから、フリー抽選で組み合わせを決めていた。
甲子園でしか見られないカードこそがセンバツ
センバツの抽選については、「ややこしい」「時間がかかりすぎる」という批判は承知しているが、実際に出来上がったカードを見渡すと、少なくとも準々決勝までは同地区同士が当たることはなく、甲子園でしか見られないカードのオンパレード。これぞ全国大会の決定版と胸を張れる。3年前の中止を経てこの2年の抽選では、初戦から同地区の対戦があった。いきなりの対戦で優勝争いを左右した試合もあり、大会そのものの価値を損なったように思う。長く抽選に関わった者として忸怩たる思いがあっただけに、センバツの良さ、センバツらしさを取り戻すには、この抽選が不可欠だと感じていた。
一昨年は大阪桐蔭が智弁学園に初戦敗退
特に一昨年は同地区同士の初戦が3カードあった。しかもすべてが、地区大会で当たったチーム同士の『再戦』というセンバツらしからぬカードになった。特に優勝候補筆頭だった大阪桐蔭が智弁学園(奈良)に敗れ、優勝争いが混沌としたことを覚えておられる読者も多いだろう。この両校は近畿大会決勝で当たっていて、雪辱に燃える大阪桐蔭を、智弁学園が返り討ちにしたのだった。昨年は関東同士の1カードだけだったが、タイブレークにもつれ込む激戦となっている。せめて以前の東西対抗のような形をとっていれば、初戦での対戦は避けられたのにと悔やまれる。
同地区対戦は準々決勝以降に
さてその抽選方法であるが、タイトル写真を参照しながら大まかに紹介したい。ちなみに写真は従来の32校出場のヤグラで、記念大会の今年は、A~Dの4分割の各ブロックには9校ずつが入る。あくまでも過去の経験を踏まえての予想で、決定ではないことを断っておきたい。基本コンセプトは以下の通りである。
・同一都府県からの2校出場は決勝まで当たらない
・5校以上出場の地区は、少なくとも準々決勝まで同じ地区のチームと当たらない
・3校以上出場の地区は、少なくとも準決勝まで同じ地区のチームと当たらない
・2校出場の地区は、決勝まで当たらない(今大会は該当地区なし)
今年の抽選は関東・東京からか?
出場校の多い地区ほど制約も多くなるので、今回は8校出場の関東・東京からということになりそうだ。2校出場の東京と栃木は決勝まで当たらないように、まず2分割のX(今大会は1~18)とY(19~36)に分ける。残る4校をX、Yそれぞれ2校ずつになるように分けた上で、Xは8分割のイ、ロ、ハ、ニに分け、本抽選をする。Yも8分割のホ、へ、ト、チに分けて本抽選する。7校の近畿も同様だ。
4校出場地区は4分割してから抽選
今回は1校の北海道を除いて、4校、もしくは3校の地区ばかりなので、4校の四国、九州が先に抽選するが、どちらが先に引くかは予備抽選で最も若い番号を持ったチームの属する地区からということになる。いずれも2校出場がある四国は香川、九州は長崎が2分割を先に引く。残る2校をX、Yのいずれかに分けたあと、Xは4分割のA、B。YはC、Dの札を引き、本抽選する。ここからは準決勝まで同地区の対戦が行われないことになる。ここまでに北海道が引いていれば、この段階で本抽選したチームは24校。A、B、C、Dそれぞれのブロックに6校ずつ入り、それぞれ3枠が空白となっている計算だ。
3校出場が4地区あり、数合わせが課題に
今回は東北、北信越、東海、中国が3校なので、XとYの数合わせをしないといけない。これは当日、途中経過を見ながらの作業となりそうだ。また1校の北海道の扱いも考慮しないといけない。北海道はどこと当たってもかまわないが、最後まで残すと、自力で対戦相手を引くことができなくなるからだ。以前は問題視されていたが、最近はいずれかの地区と抱き合わせて抽選している。
選手宣誓は36校主将、全員の抽選で決定
近畿の引くタイミングから対戦相手の決まる可能性はあるが、過去には強豪の相手がなかなか決まらない時、あとから引くチームに緊張が走ることもあった。これもまた抽選の妙味であり、全国大会の醍醐味ということだろう。ちなみに選手宣誓は夏のような立候補制ではなく、36校主将全員による抽選で決まる。当たった時は、またとない機会なので、吉兆ととらえるべきだろう。抽選の模様は「センバツLIVE!」で配信されるので、ぜひともご覧いただきたい。