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怪奇現象!?「毎日仏壇の水が空に…」“ニャンともかわいい猫”の行動を獣医師が解説

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師
アメチカンのもな@福岡の猫@Mh0MLiErcV8E97C

福岡のある家で、仏壇にお供えしてある水が、毎日空になるという怪奇現象が起こりました。飲み干した“真犯人”が判明。その犯人は不届きな可愛い猫であり、その犯行の瞬間を捉えた映像が101万回再生(5月11日現在)され、ネット上で大反響を呼んでいます。なぜ、猫はそのような行動をしたのかを獣医師と一緒に考えみましょう。

【速報】毎日仏壇の水が空っぽになってる…その理由が判明

アメチカンのもな@福岡の猫@Mh0MLiErcV8E97C

この動画が撮影された3日前から、飼い主さんのおうちでは、仏壇の水が空っぽになるという怪奇現象が起こっていました。

上のTwitterの動画には、仏壇の水を一心不乱にペロペロと飲み続けている猫の姿があります。

この猫、小雪ちゃんは、2022年の12月に保護され、2022年の9月生まれだそうです。したがって、元保護猫で生後7カ月ぐらいで成猫にはなっていますが、まだまだいたずら盛りで活発です。

小雪ちゃんの家には先住猫のもなちゃんがいます。この現場を押さえた日は、小雪ちゃんはもなちゃんと追いかけっこをしていたそうです。

すると、いきなり小雪ちゃんが仏壇に登り、お供えしていた水を飲み始めたというので、この怪奇現象の犯人が判明したというわけです。ちなみに、お仏壇に祀られているのは「猫が大好きなおじいちゃん」なのだそうです。

リプ欄に寄せられたコメントは

筆者は、猫の飼い主に「水を飲んでいますか」と診察の一環で質問すると、飲み皿から飲むし、仏壇のお供えの水も飲む猫はいることはいます。仏壇の水の飲むことは、猫あるあるです

ほっこりすることに、小雪ちゃんが飲んでいた水は猫好きのおじいちゃんにお供えしたものだったので「ご先祖様ニヤニヤしながら見守ってるんだろうなあ」というコメントもあります。「毎日綺麗な水に変わるってこと知ってるんですね!笑」など、たくさんのコメントが寄せられています。

小雪ちゃんは、なぜ仏壇にお供えしている水を飲むのか?

アメチカンのもな@福岡の猫@Mh0MLiErcV8E97C

1、猫は水を飲む場所を探し求める

猫は、水飲み皿以外でも水を飲む動物です。

新鮮な水を皿に入れていても、風呂場に行って飲む子、流し台にやって来て流れている水を飲む子などがいます。一部の猫は、水道の蛇口や流れる水を好むことがあります。これは、水の動きや音に引かれることが原因といわれています。このような習性を利用して、自動給水器で循環式の飲用噴水式になっているものも販売されています。

その点、犬は猫ほど、水を飲む場所にこだわりません。皿に新鮮な水を入れておくと、素直にそこで飲む犬が多いです。

2、小雪ちゃんは活発なので

小雪ちゃんは、まだ生後7カ月ぐらいなので、活発です。

機敏なので、高いところでも上がれるのです。たとえば、高齢の猫なら高いところに行くのは億劫になるので、仏壇にお供えした水はあまり飲まないでしょう。

それ以外に、スコティッシュフォールドで関節炎などがある子は、床に置いてある水しか飲まない傾向があります。

3、小雪ちゃんはもなちゃんと遊ぶ

小雪ちゃんには、もなちゃんという追いかけっこをして遊んでくれる先住猫がいます。もなちゃんが遊んでくれないと、興奮してのどが渇くことが少ないかもしれません。

しかし、もなちゃんは、小雪ちゃんと遊んでくれるので、つい興奮気味になりのどが渇くことが多いのです。

猫の飼い主に気をつけてほしいこと

小雪ちゃんが、仏壇の水を飲み干したとわかってほっこりしましたが、猫の飼い主は、猫は腎不全になりやすい動物だということを頭に置いておいてください。

水をたくさん飲んでいるので、大丈夫だと思っている人もいるかもしれません。

適量を飲むことが重要なので、若いときより多量にたとえば2倍以上飲んでいると、腎不全になっているかもしれません。初期の腎不全は、血液検査をしないとわかりません。猫の飲水量と排尿の量を把握しておくことは大切です。

これから暑くなるので、のどが渇きやすくなります。猫は小雪ちゃんのように、いろいろなところで水を飲みたい動物なので、複数の水飲み皿を置いてあげましょう。

まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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