2023年9月にウクライナ軍がロシア軍の"おとり"ドローンを破壊して、残骸が公開されていた。英国のメディア「ザ・サン」が報じていた。攻撃用の爆弾も搭載していなかったし、破壊されたドローンの真ん中は空洞になっていた。

上空のドローンを迎撃するのは、電波を妨害（ジャミング）してドローンの機能を停止させるいわゆる"ソフトキル（soft kill）"と、対空機関砲のように上空のドローンを爆破させる、いわゆる"ハードキル（hard kill）"がある。今回のロシア軍の"おとり"ドローンはハードキルで撃破された。

ウクライナ軍だけでなくロシア軍もドローンを検知したらすぐに破壊している。爆弾を搭載した神風ドローンなどは撃破しておかないと攻撃されて爆発してしまうし、監視ドローンもは攻撃をしてこないから迎撃しなくても良いということは絶対にない。監視ドローンに自軍の居場所を察知されてしまったら、その場所にめがけて大量のミサイルを撃ち込まれてしまったり、大量の神風ドローンで攻撃をしかけてこられたりと大きな被害を招きかねないので、監視ドローンを検知したら、すぐに迎撃して爆破したり機能停止させたりする必要がある。

「ザ・サン」によると、このようなロシア軍の"おとり"ドローンが増加している。ウクライナ軍ではロシア軍のドローンを主に地対空ミサイルやドローン迎撃部隊が機関銃やライフル銃などで破壊している。ドローン迎撃にはかなりのコストと兵士の稼働がかかっている。

ロシア軍は"おとり"ドローンを飛行させることによって、そのような地対空ミサイルのミサイルやドローン迎撃部隊の銃弾などを浪費させようとしているのではないかと報じている。

また、"おとり"のドローンを飛行させて、地対空ミサイルなどを発射してきたら、その地点にウクライナ兵がいて兵器がある、つまりウクライナ軍の居場所だということがわかる。そして、そのウクライナ軍の居場所の地点をめがけてミサイルなどを発砲して攻撃することができる。

このような"おとり"はロシア軍のドローンだけでなく、ウクライナ軍でも偽物の防空システムなど軍事設備などを"おとり"として作り、ロシア軍の攻撃を誘導している。

▼ウクライナ軍が破壊したロシア軍の"おとり"ドローン（英国メディア「ザ・サン」）