韓国ロッテのパクリにグリコが意匠権で対抗
「韓国でグリコがロッテを提訴 さすがに似すぎ…甘くないポッキー対決」というニュースがありました。
ということです。この商品に限らず、韓国におけるロッテを初めとする菓子メーカーの日本の菓子のパクリ問題はひどかったようですね(参考記事)。
商品の形状を真似された場合の対抗策としては、大きく商標権、意匠権、不正競争防止法という3つの手段がありますが、グリコは今回は意匠権という手段をとりました。
不正競争防止法ですと、登録は不要ですが、日本と同様に(1)周知であること、(2)類似であること、(3)混同を生じさせていることの3点の立証が必要です。また、商品の形状そのものを立体商標登録するのも(日本と同様に)ハードルが高いようです。したがって、(少なくとも最初のステップとして)意匠権を使ったのはうなずけます。
菓子の意匠登録についてはちょっと前に書きました(過去記事「ミスタードーナツはセブンをパクリで訴えることができるのか?」、弊所ブログ記事「【小ネタ】お菓子の意匠登録について」)が、今回は商品の形状そのものではなく、パッケージの形状で争っています。
韓国の意匠登録の検索方法は特許庁のサイトに載っています。ハングルばかりで一瞬ビビりますが、右上のENGLISHをクリックして英語モードにして、DESISN(意匠)を選択して、検索窓にGLICOと入力するだけで、当該の意匠登録の情報を得られます。こういう通常の検索エンジン式にキーワードを入れるだけで難しいことを考えなくても目的の情報にたどり着けるUIは便利ですね(というか今では当たり前のことです)。わが国では今まではIPDL(特許電子図書館)の旧態依然の20世紀型UIで我慢せざるを得なかったのですが、3月からサービス開始される「特許情報プラットフォーム」でようやくこのようなモダンなUIになるようです。
現時点で韓国におけるグリコの意匠登録は1件しかなく、それがまさに今回の意匠登録です。画面右下にポピュラーキーワードのランキングが表示されているのですが、1位が既にGLICOになっているのがちょっと笑えます。
PDF版の意匠公報はこちらからダウンロード可能です(ハングルですが)。
一般に意匠権での訴訟はどこまでを類似範囲とするかが焦点になることが多いですが、今回はデッドコピーに近いのでグリコの主張は認められやすいと思います。とは言え、日本ではなく韓国内での裁判なので結果が読みにくいという要素はあるかもしれません。