【大阪杯(GI)展望】三冠牡馬コントレイルに挑む注目の強豪牝馬たち
4日、阪神競馬場にて大阪杯(GI、阪神芝2000m)が行われる。このレースは2017年よりGIに昇格し、春の古馬中距離路線の頂点という位置づけのレースに変わった。今年はフルゲート16頭だが、出走馬は13頭と例年どおり参加頭数は少なめである。
今年は、昨年無敗で牡馬クラシック三冠を成し遂げたコントレイル、春の二冠でコントレイルの2着に食い下がり続けたサリオス、昨年の最優秀短距離馬のグランアレグリア、デビューから5連勝中で無敗のレイパパレらが出走する。
コントレイルの単勝オッズは1倍台を推移
前日売り最終オッズの単勝1番人気はコントレイルで1.8倍。続く2番人気がグランアレグリアで2.5倍。3番人気がサリオスで6.3倍とここまでは1桁台となっている。
その後、当日のオッズはコントレイルが午前10時の段階では1.7倍と下げる一方で、グランアレグリアが3.0倍、サリオスが6.5倍とその差を広げている。筆者からみてこの数値は納得だ。中距離路線で実績のあり、かつGI戦線で安定して結果を出しているコントレイルに対して、マイルまでなら圧倒的な実績を持つが2000mはおろか1800m戦への出走経験もないグランアレグリアには未知の部分が多い。それでも圧倒的な瞬発力とレース中にみせる操縦性の高さから、グランアレグリアの対応力に期待したいところだが、如何せん、先週の高松宮記念でのインディチャンプ同様、過去の実績から"一足飛び"で高い勲章を獲ろうとしている印象は否めない。もちろん、それが可能と見越しての参戦だろうが、実績のあるスペシャリストを相手にどれだけやれるか、には不安は拭いされない。
コントレイルはケチのつけようがない仕上がり
コントレイルはこの中間も実に安定した調整を重ねている。2週前、1週前と主戦の福永騎手が騎乗して感触を確かめているが、その動きは実に力強く迫力があった。陣営はこの追い切りでは予め強い負荷をかける予定だったが、その計画にみごとにコントレイルは応えている。レース当週は厩舎スタッフによってサラッと仕上げる程度の調整にとどまったが、その動きからは大阪杯に向けての調整は万全という印象を受けた。まさしく、ケチのつけようがない仕上がり。ここからまだ単勝オッズが下がったとしても、信頼は揺るがないと筆者は考える。
注目の牝馬、5戦無敗のレイパパレ
近年、牝馬の活躍が止まらない。短距離界でのグランアレグリアはもちろん、昨年この大阪杯を制したラッキーライラック、有馬記念2着だったサラキア、先週ドバイ遠征で奮闘したクロノジェネシス、ラヴズオンリーユー、そしてアーモンドアイ。クラブ所属の牝馬は6歳春までに引退する規定があるため、アーモンドアイらは昨年ターフを去ったし、グランアレグリアも来年の今ごろは繁殖入りしていることだろう。そんな中、新たな牝馬の新星が現れた。デビューから5戦を無敗で勝ち続けているレイパパレだ。
レイパパレはまだまだ粗削りではあるが、そのポテンシャルの高さは随所に垣間見せている。前走のチャレンジカップ(GIII)は重賞初参戦。しかも初の2000m戦で道中行きたがるそぶりは見せたが、最後はそのまま瞬発力の高さをみせて押し切った。420キロ台と小柄だが、この中間はあえてボリュームを持たせての調整をしている。管理する高野師によれば、行きたがる面を見せたのは今のところ前走のチャレンジカップだけとのこと。キャリア5戦の4歳牝馬とあって、まだまだこれから変化を重ねていくだろう
サリオスは休み明けでも好仕上がり
サリオスが鞍上に日本人騎手を迎えるのは2戦目のサウジアラビアロイヤルC以来となる。大型馬だが、今回は休み上けでも仕上がっている印象を受ける。馬も戦った相手のことは覚えているものだ。昨年、コントレイルの2番手を続けてきたが、今年は雪辱を果たせるか。再対決に注目したい。
アドマイヤビルゴの鞍上、20歳の岩田望来に寄せる期待
気になるのはアドマイヤビルゴ。これまで武豊騎手が主戦だったが、怪我による戦線離脱のため、今回は20歳の岩田望来騎手をその背に迎える。岩田康誠騎手の息子で父同様、追えるタイプのジョッキ―だ。武豊騎手とは違ったアプローチでアドマイヤビルゴの魅力を引き出せれば、アッと言わせる場面もありそうだ。