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「封じ手の直前の構想がよくなかった」王位戦七番勝負第4局で敗れた豊島将之挑戦者コメント

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

豊島将之挑戦者「(角換わり腰掛銀の将棋で後手番を持ち、序盤は)まあちょっと手が遅れてるので。そんなに自信はないんですけど、まあでも仕方がない展開なのかな、という感じで思っていました。(53手目)▲5五歩のときにたぶん△6三角打ったのがあまりよくなかったのかな、と思っていて。そうですね。うーん、まあでも、なんかもうちょっと待つしかなかったかもしれない・・・。まあ指す手が難しいんですけど。そうですね、なんか△6三角に代えて△7二金と寄るとか。なんかそういうのやらないといけなかったなあと思いますね。まあそれでも5筋(の位を)取られてるので。まあなんか最終的には打開されてまずくなってしまうかもしれないですけど。うーん、本譜はなんか、封じ手の局面がかなり冴えない感じになってしまったので、よくなかった気がします。(56手目、封じ手の△8六銀は)まあでもなんか、△6三角だけ打ってじっとしてるのも、どんどん先手の形がよくなっていきますし。まあなんか、どうやってもけっこう苦しいのかなと思って。△8六銀はちょっとまずいかなあ、とは思ったんですけど。なんかまあ、いちばん可能性がありそうな手かなと思ったので。うーん、ちょっとわるそうな気はしたんですけど。まあ仕方ないかな、という感じでした。(藤井王位の対応は)まあなんか、いろいろあるところなのかな、と思ったんですけど。そうですね。まあでもなんか進んで(18分を使って68手目)△3五歩がかなり手拍子で指してしまったのが相当よくなかったですか。(直前の)▲5八金寄のところでもうちょっと考えないといけなかった気がします。まあでもやっぱり銀桂損なんで、ちょっとわるいかもしれないですけど。そうですね、△3五歩に代えて・・・。代える手もまあ難しいですけど、なんか他の手をやらないといけなかったですし。うーん、そうですね、そのあと(71手目、銀取りに)▲3四歩突かれてから長考になってるんで。冴えないというか、時間の使い方がよくなかったです。(72手目△9九龍で香を取ってから△3五香と打って攻めた)どうやってもなんかはっきりまずくなりそうな感じになってしまったので。そうですね、まあ△9九龍だと龍の利きがかなり弱くなるんで、まあダメなんですけど。そうですね。(銀を逃げて)△2二銀引いてもやっぱり▲7三歩成(桂を取る)から(△同金に金取りの)▲7四歩の筋でダメですし。そうですね、ちょっと△3五歩がよくなかった気がします。ダメなんですけど、香車取った以上は△3五香から攻めていかないと仕方がないので。どう決められるかという感じです。(本局を振り返って)封じ手の直前の構想がよくなかったのと。あとは△3五歩のところで考えないといけなかった、というところがよくなかったのかな、と思います。(次局に向けて)そうですね、また切り替えてがんばっていきたいと思います」

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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