富田林でオリックスがBBQ!鳴尾浜で一二三選手は5年ぶりに…《阪神ファーム・番外編》
オリックスが2012年からウエスタン公式戦を開催してきた、大阪府富田林市立総合スポーツ公園野球場(2013年から名称が“富田林バファローズスタジアム”)。2012年は中日戦、2013年と2014年はソフトバンク戦で、ことし初めて阪神戦が行われました。と思っていたのですが、近鉄バファローズがあった頃…つまり2004年までには試合をしていますね。藤田太陽さんも「昔ここで投げた」と言っていたので。
神戸サブ球場や北神戸だけでなく、主に休日は近畿各地での試合を数多く主催しているオリックス。ここ数年で、大阪府高槻市、東大阪市、豊中市、富田林市などの試合が増えました。また兵庫県の丹波市や淡路市、奈良県橿原市では以前から開催していますし、和歌山・紀三井寺でも1試合ありますね。本拠地でも様々なファンサービスを実施していて、土日や休日の地方開催ゲームにはファン参加型イベントが目白押しのオリックスファーム。阪神ファンの皆さんもよく参加されています。
球界初!ファンと選手のBBQ
富田林でも毎年イベントがあったようですが、今回は「近鉄沿線でファンを拡大したい」とオリックス、富田林市、そして球場すぐそばにある農業公園“サバ―ファーム”が企画した『星空のバーベキュー』(サバーファームプレゼンツ)が開催されました。25日のウエスタン・オリックス-阪神の試合を観戦することが条件で、抽選で選ばれた参加者と選手が一緒にバーベキューをするというものです。しかも選手1人とファン3~4人が1つのテーブルにつき、みんなでコンロを囲むという「究極のファンサービス!12球団でも前例のない交流イベント」とオリックス。つまりプロ野球界初の試み、だったんですね。
試合が終わって40分後くらいに、オリックスの選手たちは紺色の半袖Tシャツに着替えてベンチへ。そこで参加23選手がバーベキューの説明を受けました。1つのテーブルに1人か2人ずつで座る。今回サインはお断りしているけれど、写真撮影はどんどん受けましょう。お肉や野菜を“焼く”のは、お客様ではなく選手の担当。なお、みんなの今日の夕食も兼ねているので、しっかり食べること。そして応援して下さるファンの皆さんや、企画していただいた地元の方々に感謝の気持ちを忘れずに、という話でした。
カラバイヨ選手がカンパイ!
一塁側ベンチから外野方向へ続く芝生席を通って軍手を渡され(タイトル画像はその時の写真)、ライトポール横の通路を出たところにある広場で、もうテーブルごとに座ったファンの皆様が待っておられます。スタジアムDJ・ケチャップさんに1人ずつ名前を呼ばれてテーブルへ。若手だけかと思いきや、カラバイヨ選手も参加していて乾杯の発声。白仁田投手もいましたよ。さっそくお肉を焼く選手、記念撮影に応じる選手、テキパキ仕切る選手、張り切ってビールを飲む選手、中には焼けたお肉を取り分けてくれる選手も!みんな一様に満面の笑みです。
15分くらいで引き揚げてきましたが、予定では約1時間半とのことだったので『星空のバーベキュー』まではいかなかったかもしれません。19時でもまだ明るいくらいなので。でも本当に思いきった企画ですよねえ。本拠地では試合前や試合後にグラウンドで、子ども限定イベントはもちろん、ペアで参加するキャッチボールや大人限定の守備練習など開催しているオリックス。この日も最後に選手とのハイタッチがあったみたいです。こういうふれあいはきっと、忘れられない思い出になるんでしょう。
若手選手たち、試合のコメントも
全選手の写真は撮れていなくてすみません。っていうか…これ阪神ファーム情報をお伝えする『小虎日記』なんですけど、思いっきりオリックス選手の写真ばかりですね。2年目・奥浪鏡選手(19)はこの日、高校野球岡山大会決勝で母校・創志学園が逆転負けしたとガックリ。「9回までですよ、9回までリードしていたのに!」。10日前にフレッシュオールスターゲームで岡山へ行き、試合は中止だったものの元チームメイトと会って盛り上がったばかりだろうし、よけい悔しかったと思われます。
3年目の武田健吾選手(21)とは試合の話を少し。25日は6回に1点ずつ取って、9回に森越選手の左中間二塁打と伊藤隼選手のタイムリー三塁打、梅野選手のタイムリーが出て3対1で阪神の勝ちでした。6回の1点は、1死満塁で横田選手の左飛を捕った武田選手が悪送球してしまったもの。「中継に返そうと思ったんですけど、送球がスライダー回転してしまって。オレのせいで負けると思った…」と反省しきりでした。
横浜隼人からドラフト2位で入ったルーキーの宗佑磨選手は、この日は出場しなかったのですが、24日(北神戸)は9回にショートを守っています。「公式戦はまだ打席に立っていなくて守備だけ。由宇の広島戦で一度あって、きのう(24日)が2度目です。緊張しました!」。守備機会は?「初球がいきなり飛んできたんです」。9回、先頭の中谷選手が初球を打ってショートゴロだったんですね。「はい、緊張しました」
打つ方は「独立リーグとの試合で1打席だけ。三振です。めちゃくちゃ緊張しました!」と宗選手。緊張しすぎです(笑)。そして話を聞いた翌日、同じ富田林で行われた26日の阪神戦では7回の守備から出場、8回裏に公式戦初打席を迎えました。ピッチャーは渡辺投手で、結果は四球。代走を送られて終了しています。どれだけ緊張したのか聞いてみたいものですが、四球を選んだなら大丈夫だったんでしょう。
一二三が投げた!原口が受けた!
変わって、今度は阪神タイガースの話題です。本隊は富田林でオリックスと戦っていた26日の鳴尾浜球場。前日に続き、野手は田上選手、原口選手、一二三選手が残留練習中でした。人数も少なく、グラウンドでの練習はお昼までで終わったのですが、その終盤あたりに一二三選手が投げたそうです!しかも143キロの球速が出たと。見たかったですねえ~。だってピッチャー登録だった1年目も、マウンドで投げるところは見ていないんですから。
私が遭遇していないだけかと思ったんですが、一二三選手も「5年ぶりっ!」と言っていたとか。じゃあきっと高校3年の時以来ってことですよね?つまりプロ初ってことですよね?ますます悔やまれる。26日に鳴尾浜へ練習う見学に行かれていた方は、しっかりご覧になったでしょう。ちなみに受けたのが原口選手という、これまた「見たかった」と悔やまれる出来事でした。
一二三選手に聞いてみると「(143キロ)出ましたよ。腕が振れていなかったから投げたんです」という返事。もしかして、なんてことを考えてしまったと言ったら「そんな大げさなことじゃないです。しっくりこなかったから投げて、感覚を良くしただけ」と一蹴されました。なるほど、スローイングの調整のために、投げてみたというわけですね。それでもマウンドから投げて、気持ちよかったんじゃないかなあと勝手に思っています。とても楽しそうだったみたいですしね。
原口選手も、返ってくる言葉が楽しげでしたよ。遊んでいるように思われたら…と気にしていましたが、スローイング練習の延長だし、例えばスピードガンのスイッチを入れたことも1つの工夫なんだから大丈夫。原口選手もマウンドから投げたそうで、最速を聞いたら「124キロ!」という返事です。原口選手によれば、一二三選手の143キロは「想定内」ですって。こんなふうに“投げる”練習ってのは、たまにあると言っていました。ぜひまたやってください。あ、遊びじゃない?すみません。
現場にいなかったので、2人のピッチングフォームを撮れなくて残念。そのかわりといっては何ですが、4月11日にルートインBCリーグ・富山GRNサンダーバーズとの交流試合が行われた富山アルペンスタジアムで、試合前のキャッチボールをしていた一二三選手の写真を載せておきます。最初はゆったりと普通のキャッチボールをしていたのに、だんだんフォームが本格的になってきて、やがて顔も真剣に。いや楽しげに。どっちとも取れる感じでしょうか。
こういうキャッチボールは結構やっていますけど、26日は本当にマウンドから投げたんですもんね。でも「やっぱり夏になると血が騒ぐ?ウズウズする?」と言ったら軽く流されました。そうです。今は1本でも多くヒットを打って、結果を残さないと!という必死の思いでバットを振る“一二三外野手”。原口選手も同じです。きっとキャッチャーをやりたくて仕方がないでしょうけど、何よりまず支配下選手に戻るために汗を流し続ける日々。
少ないチャンス、どうか生かしてほしい。
ただそれだけを願う夏です。