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ジャッジが3打席続けてホームランを打つ。大谷とは9本差、残りは8試合。逆転の可能性は!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)Sep 22, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月22日、アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)は、1打席目に二塁打を打ち、2打席目からは、3打席続けてホームランを記録した。

 それでも、ア・リーグで最もホームランが多い大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)とは、9本の差がある。ヤンキースのレギュラーシーズンは、あと8試合しか残っていない。

 現時点のア・リーグ本塁打トップ5は、44本の大谷、37本のルイス・ロバートJr.(シカゴ・ホワイトソックス)、ともに35本のアドリス・ガルシア(テキサス・レンジャーズ)とジャッジに、33本のラファエル・デバース(ボストン・レッドソックス)だ。

 大谷が本塁打王を獲得する可能性は、依然として、極めて高い。

 ジャッジが大谷を追い抜くのに必要な、8試合で10本塁打は、不可能な本数ではない。例えば、これが8試合の最多かどうかはわからないが、アルバート・ベルは、1995年9月18日~27日に、チームの8試合中7試合に出場し、10本のホームランを打っている。それぞれの試合の本数は、2本、3本、0本、0本、2本、欠場、1本、2本だ。

 ただ、ここから、ヤンキースは、アリゾナ・ダイヤモンドバックスと2試合、トロント・ブルージェイズと3試合、カンザスシティ・ロイヤルズと3試合を行う。この3チームのうち、ダイヤモンドバックスとブルージェイズは、それぞれのリーグのワイルドカード・レースで2位に位置しているものの、3位あるいはさらに下のチームとの差はほとんどない。

 ジャッジの猛打がここからも続くようであれば、ダイヤモンドバックスとブルージェイズの両チームは、試合に勝つために――ポストシーズンに進出するために――ジャッジとの勝負を避ける可能性も、大いにある。敬遠四球でなくても、ジャッジに対し、四球になっても構わない、という投球をするかもしれない。

 9月10日以降、ヤンキースのラインナップの2番と3番には、ジャッジとグレイバー・トーレスが並んでいる。トーレスは、10日~22日の12試合で出塁率.358を記録し、二塁打を4本打っているが、ホームランはなく、打点も4と多くない。

 ちなみに、ジャッジの四球率18.6%は、ア・リーグで400打席以上の選手――ジャッジは規定打席に達していない――のなかで、最も高い。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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