秘密基地に集合!懐かしいけど新しい「コミュニケーションが生まれる駄菓子屋」【西東京市】
西武新宿線・西武柳沢駅北口から徒歩5分。駅前から続く柳盛会柳沢北口商店街の奥にヤギサワベースはあります。
ヤギサワベースは、子どもの秘密基地をコンセプトにした駄菓子屋さん。「子どもたちの交流の場になるように」という想いから、自由に過ごせるフリースペースを設けているのが特徴です。
いざ秘密基地へ!
お店の外には、昔ながらのフォルムのガチャガチャも。漂うレトロな雰囲気にワクワクしながら店内へ足を踏み入れます。
お店に入ると、つい「懐かしい!」と声をあげてしまうような駄菓子の数々が視界に広がります。売り場には文房具や10円ゲームも並び、取材を忘れて子ども時代に戻ったように興奮してしまいました。
平日は小学生の子どもたちで賑わいますが、最近は土日の家族連れも増えているとのこと。多い日には、レジの対応回数が200回を超えることもあるそうです。
子どもたちが集うフリースペースはお店の奥。靴はお店の入口で脱ぐスタイルなので、イスに座ってもよし、床に座ってもよし。
机や漫画本などが並ぶこの空間で、子どもたちは思い思いの時間を過ごします。
駄菓子屋は副業としてスタート
店主の中村さんの本業は、なんとグラフィックデザイナー!都心のオフィスに勤務していたそうですが、東日本大震災で帰宅困難になったことをきっかけに、職住近接の実現に動いたとのこと。
そうして、西東京エリアでデザイン事務所を構えると同時にはじめたのが、駄菓子屋さん。「近年、数が減りつつある駄菓子屋を今の子どもたちにも楽しんでほしい」という想いから、もともと定年後に営む計画だったものを前倒しにしたそうです。
店内はデザイン事務所も兼ねています。レジ横のスペースで仕事をしながら、子どもたちを見守ることもあるそうです。
「正直、仕事をするには騒がしすぎるときもありますね」と言いつつも、笑顔の中村さん。子どもたちと中村さんとの絶妙な距離感が、ヤギサワベースの居心地のよさの秘訣だと感じました。
いつしか地域の子どもたちに愛される場所に
「駄菓子屋って、なくてもいいけど、あったほうがいい場所なんです」と中村さん。
たしかに、子どもだけで堂々と入れる駄菓子屋さんって、街のなかでも異彩を放つ存在。オンライン決済に慣れている最近の子どもたちにとっては、お小遣いを握りしめて自分で買い物をする経験は貴重だといえるでしょう。
開業当初は店を開けない日もよくあったそうですが、休んでいると「おーい!あけろー!」と営業を待ちわびる子どもの姿もあったといいます。
「子どもに関わる仕事をするなら、生半可な気持ちでやってはいけないんだなと思いました」と中村さん。それから営業日も増やし、今では地域の子どもたちに愛される秘密基地的な存在になりました。
懐かしのお菓子とワクワクをどうぞ
今年の4月に8周年を迎えたヤギサワベース。記念のイベントは、昔懐かしいチンドン屋が場を盛り上げ、入口に靴が溢れるほどの大盛況でした。
7月20日(土)には「ただ黙々とプラモデルをつくる会」も計画中。なんと4年ぶりの開催です!
子どもから大人までプラモデル好きが集まって制作を行う会ですが、大人たちがお酒を持ち込む夜の部もあるそうです。昔ながらの「駄菓子屋さん」の役割にとどまらず、地域の交流が生まれる場にもなっています。
私たち大人のなかには、駄菓子屋での思い出をもつ人も多いのではないでしょうか。ヤギサワベースを訪れる子どもたちの心にも、甘いお菓子の味と共にじんわりと温かい思い出が残ってゆくのでしょう。
ヤギサワベース
住所:東京都西東京市保谷町3-25-15 1F
電話番号:042-452-5905
営業時間:水〜土曜日14:00〜18:00
日曜日12:00〜16:00
定休日 :月・火曜日(祝日は不定休)
アクセス:西武新宿線 西武柳沢駅北口下車 徒歩5分
駐車場 :なし
公式HP :https://yagisawabase.com/