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アザール、ベンゼマ、アセンシオはレアルの「看板3トップ」になるのか?ジダンの期待と始まる逆襲劇。

森田泰史スポーツライター
ボールを追うアザール(写真:ムツ・カワモリ/アフロ)

窮地に追い込まれていたレアル・マドリーだが、息を吹き返そうとしている。

リーガエスパニョーラで試合数が1試合少ない状況で2位に位置しているレアル・マドリー。一方、チャンピオンズリーグではグループステージ開幕から1分け1敗と2試合未勝利が続いていた。しかし、マドリーはグループステージ第3節でホームでインテルを3-2と破った。「決戦」を制して再び機運を高めている。

■トリデンテ

現在、ジネディーヌ・ジダン監督が期待を寄せるのはカリム・ベンゼマ、エデン・アザール、マルコ・アセンシオの3トップだ。

昨季はアセンシオがプレシーズンの負傷で長期離脱を強いられた。また、アザールについても、マドリー移籍後度重なる負傷に苦しめられてきており、これまで「BHA」の3トップを形成する機会は多くなかった。

昨季、マドリーは全公式戦の得点数が100ゴールに到達しなかった。これはおよそ12年ぶりの出来事である。2018年夏にクリスティアーノ・ロナウドが退団して以降、決定力不足に喘いでいるのは明らかだ。彼が去った次のシーズン(2018-19シーズン)の1試合平均得点は1.89得点だった。

今季の得点数はベンゼマ(5得点)、アザール(1得点)、アセンシオ(無得点)となっている。バイエルン・ミュンヘン(レヴァンドフスキーニャブリーミュラー/22得点)、リヴァプール(フィルミーノーマネーサラー/15得点)、アタランタ(パプ・ゴメスーサパタームリエル/15得点)といったチームの攻撃陣と比較すると、まだ心許ない。

筆者作成
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■ロドリゴとヴィニシウスの存在

先のインテル戦、決勝点を挙げたのはロドリゴ・ゴエスだった。

「未来から舞い込んだ勝利」(スペイン『アス』紙)と形容されたように、19歳のアタッカーが試合を決めたのは大きかった。ロドリゴは"CLに強い男"だ。CL8試合(先発5試合)で5得点3アシスト。44分毎に1得点という驚異的な数字を残している。

昨季、ジダン監督の解任が囁かれ始めた頃、指揮官を救ったのは他ならぬロドリゴだった。チャンピオンズリーグ・グループステージ第3節と第4節のガラタサライ戦で先発すると、3得点を挙げてチームを上昇気流に乗せた。

ロドリゴ、そしてインテル戦で彼の得点をアシストしたヴィニシウス・ジュニオールの存在は、ある意味でジダン監督の頭痛の種である。しかしそれは歓迎すべき問題だ。

2016-17シーズン、2冠を達成したマドリーはエキーポB(Bチーム)が強かった。今季のジダン・マドリーは、改めてその流れに乗ろうとしている。

スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

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