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【韓国シリーズ】9回に両チーム代打アーチの応酬 延長突入の接戦を3位キウムが制す<韓国KBOリーグ>

室井昌也韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表
9回同点弾のチョン・ビョンウと沸くスタンドのファン(写真:キウムヒーローズ)

KBOリーグの今年のチャンピオンを決める韓国シリーズがスタート。開幕10連勝から始まり、一度も首位を譲ることなくシーズンを終えた公式戦1位のSSGランダーズと、準プレーオフ、プレーオフを勝ち上がった3位のキウムヒーローズが顔を合わせた。

SSGの本拠地・インチョンSSGランダーズフィールドで行われた第1戦は接戦に。9回表、4-5で1点を追うキウムは四球の走者をバントで送って1死二塁とすると、8番代打のチョン・ビョンウが初球をレフトスタンドにライナーで運ぶ2ランホームラン。6-5として逆転に成功した。

しかしその裏SSGも1死後、2番代打のキム・ガンミンが高々と打ち上げて、レフトスタンドに放り込むソロホームラン。6-6の同点として延長戦に突入した。

試合は延長10回表、前の回に代打逆転弾を放ったチョン・ビョンウが、2死二塁でレフトにタイムリーヒットを放ち、7-6として勝ち越しに成功。キウムは10回裏を0点に抑えて、試合時間4時間19分の接戦を制した。

決勝打のチョン・ビョンウはロッテジャイアンツでプロ生活をスタートし、2020年にキウムに移籍した8年目の30歳。韓国シリーズは今回が初出場で、初打席の初球で逆転弾。2打席目に勝ち越しタイムリーの大活躍となった。

この試合、シーズン防御率1、2位を争ったエース投手が先発。SSGのキム・グァンヒョンは5回1死まで無安打ピッチングを続けるも、初の被安打後、味方のエラーなどもあって5回に2失点。6回にも2点を与え、5回2/3を投げて被安打5、失点4(自責2)でマウンドを降りた。

一方、防御率2.11で1位のキウムの先発アン・ウジンは、3回裏に右手人差し指のマメがつぶれて出血。2回2/3を投げて2安打2失点で降板した。

韓国シリーズは7戦4先勝制で行われ、1位チームへのアドバンテージはない。しかし1、2、5、6、7戦の5試合を1位の本拠地球場で開催。第2戦は初戦に続きSSGのホームで行われる。

◇11月1日(火)の結果

・韓国シリーズ第1戦

 SSG 6 - 7 キウム(インチョン)

 勝:キム ジェウン

 敗:モリマンド

⇒ 2022年 KBOリーグポストシーズン日程表(ストライク・ゾーン)

◆「雑踏事故を受けて、応援など自粛」

韓国野球委員会(KBO)はソウル・イテウォン(梨泰院)での雑踏事故を受けて犠牲者、遺族に配慮し韓国シリーズ第1戦前に黙祷。また国家哀悼期間にあたる第4戦まで始球式などの行事は行わず、選手、審判は帽子に喪章(黒いリボン)を付けることとした。スタンドではチアリーダーは活動せず、スピーカー使用などの演出も自粛。ファンはアカペラで声援を送った。

※本記事は韓国KBOリーグ各球団から写真使用の許可を得て掲載しています。

韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表

2002年から韓国プロ野球の取材を行う「韓国プロ野球の伝え手」。編著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』(韓国野球委員会、韓国プロ野球選手協会承認)を04年から毎年発行し、取材成果や韓国球界とのつながりは日本の各球団や放送局でも反映されている。その活動範囲は番組出演、コーディネートと多岐に渡る。スポニチアネックスで連載、韓国では06年からスポーツ朝鮮で韓国語コラムを連載。ラジオ「室井昌也 ボクとあなたの好奇心」(FM那覇)出演中。新刊「沖縄のスーパー お買い物ガイドブック」。72年東京生まれ、日本大学芸術学部演劇学科中退。ストライク・ゾーン代表。KBOリーグ取材記者(スポーツ朝鮮所属)。

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