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【統一地方選挙2023】こどもまんなか候補者に投票しよう、「所得制限撤廃」と2つのポイント

末冨芳日本大学教授・こども家庭庁こども家庭審議会部会委員
どの候補者が「こどもまんなか」?(提供:イメージマート)

いよいよ統一地方選挙前半戦の投票日直前となりました。

地方選挙は、投票率が低いのですが、だからこそ1票の価値が高くなります。

こどもまんなか候補にあなたが投票することで、子どもや若者、子育て世帯への政策が充実していく、地方の政治の状況を変えられる確率が高いのです。

「あなたの一票で、街を良く変えられる」最大のチャンスです。

それでは、こどもまんなか候補者は、どのように見つければよいのでしょうか。

「所得制限撤廃」「完全無償化」の政党×地域の困りごとに寄り添った「こどもまんなか政策」

この統一地方選挙で、「政党所属」のこどもまんなか候補者を見分けるキーワードは、やはり「所得制限撤廃」、そして「完全無償化」です。

選挙ポスターや選挙公報、気になる候補者のSNSや、ホームページを見てください。

国民民主党、公明党、立憲民主党、日本維新の会、日本共産党は、党として児童手当や高校・大学無償化の「所得制限撤廃」や出産、医療、学校給食、保育の「完全無償」のいずれかを、打ち出しています。

自民党は、党としての公約に「所得制限撤廃」は掲げていません。

しかし、自民党公認の候補者の中にも、自身の方針として「所得制限撤廃」を掲げる候補者もいます。

そして、各候補者が、子どもや若者、子育を充実する「こどもまんなか政策」を具体的に打ち出しているかがポイントです。

その中で、あなたの困りごとを良くしてくれる候補者に投票すればよいのです。

私自身は「こどもの権利条例」を自治体で作ろうとする候補者に注目しています。

※無所属の候補者の場合には、政党と一線を画すために「所得制限撤廃」「完全無償化」をあえてかかげず、学童の充実や、保育所の配置基準改善、子どもの居場所の充実など、地域の困りごとに即した、こどもまんなか政策を掲げていることがあるので、ご注意ください。

地域の困りごとに寄り添っている無所属候補者は「こどもまんなか」の候補者だと判断できます。

「所得制限撤廃」のほかに、私は2つのポイントに注目しています。

ポイント1.”ほんもの”の子育て当事者か?

支援団体候補者、20代・30代の若者候補者にも注目!

この選挙では、私の知る「ふつうのママやパパ」、地域で子ども食堂や学習支援などで子どもたちと関わってきた支援団体の候補者、そして20代・30代の友人知人たちも、何人も立候補しています。

このような子育て当事者、そして、いまからの未来を担う20代や30代の若者候補者こそ、子どもや若者、子育て当事者の意見を理解し、政策にしてくれる候補者である可能性は高いです。

しかし、そのときに気をつけてほしいのが”なんちゃって”子育て当事者ではないか、ということです。

3人の子どものパパ(ママ)と、子育て当事者をアピールしている候補者であっても、”ほんもの”か”なんちゃって”かは、候補者の性別にかかわらず、見分けた方が良いでしょう。

普段はパートナーに育児をお任せの候補者が、選挙の時だけ子育て当事者アピールをする可能性も、ゼロではないからです。

次のポイントであるSNSでの発信を含め、日常から子育てにしっかり関わっている候補者かを見分けることが大切です。

ポイント2.SNSを活用している候補者か?

子ども、若者や子育てにやさしい候補者は、有権者にわかりやすい情報発信をこころがけるものです。

SNS、とくにInstagramやTwitterなどで、こまめに、選挙活動だけでなく、子ども子育て政策や、若者政策、地域の課題などについて発信している候補者は、問題意識の高い、アクティブな候補者である可能性が高いです。

当選したあとも、SNSも活用して、地域の子どもや若者、子育て当事者のみなさんの意見を聞いたり、困りごとを解決してくれる候補者でもある可能性は高いでしょう。

以上、簡単なポイントでしたが、気になる候補者のことを、いまからあなたのスマホで3分だけチェックしてみませんか?

※選挙ドットコム「統一地方選挙2023」では、住んでいる地域の候補者の情報がわかりやすく整理されています。

日本大学教授・こども家庭庁こども家庭審議会部会委員

末冨 芳(すえとみ かおり)、専門は教育行政学、教育財政学。子どもの貧困対策は「すべての子ども・若者のウェルビーイング(幸せ)」がゴール、という理論的立場のもと、2014年より内閣府・子どもの貧困対策に有識者として参画。教育費問題を研究。家計教育費負担に依存しつづけ成熟期を通り過ぎた日本の教育政策を、格差・貧困の改善という視点から分析し共に改善するというアクティビスト型の研究活動も展開。多様な教育機会や教育のイノベーション、学校内居場所カフェも研究対象とする。主著に『教育費の政治経済学』(勁草書房)、『子どもの貧困対策と教育支援』(明石書店,編著)など。

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