背景がキッチン?「新型コロナウイルス」で気象キャスターもテレワーク
「世界の20%の人々がロックダウン、すなわち外出禁止令下にある」と、ガーディアン紙が伝えました。24日(火)時点では、イギリス、アメリカ、フランス、オーストラリア、南アフリカなどといった地域の17億人の人々の不要不急の外出が事実上禁止されていたのです。
加えて25日(水)0時からは、人口13億人のインドにも外出禁止令が出されました。
しかし一体「不要不急の外出」というのは、どういう意味なのでしょうか。
例えばアメリカ・カリフォルニア州の場合は、生活必需品の買い出し、病院の受診や治療、犬の散歩やジョギングなどがそれにあたるようです。ただそうした理由で外に出たとしても、人と6フィート(1.8メートル)以上の距離を保つようにと要請が出ています。
不自然な距離間のニュース番組
そうした中で、放送局も異例の対応を迫られています。
アメリカのニュース番組を見ると、ニュースキャスター同士が不自然なほど離れて座っている光景を目にします。中には、自宅にスタジオを作って、誰とも会うことなしに、一人でニュースを伝えている人もいるほどです。
気象キャスターも同様です。
たとえばアメリカの気象キャスターのカリスマ、アル・ロウカ―さんは、自宅のキッチンから、iPadとパソコンを使って天気を伝えていました。ご本人も「出勤しなくていいから長く寝ていられた」と上機嫌です。メディアもテレワークできる時代になっているようですね。
テレワーク気象予報士
新型コロナウイルスの脅威が現れるずっと前から、個人的に気になっていたアメリカ人気象キャスターがいます。
それはニュースチャンネル・ネブラスカというTV局で働くジェフ・フォックスさんです。
上が彼の天気予報の動画ですが、一体どこから放送していると思いますか。実は、クロマキーといわれるセットを自分のガレージに作って、そこから放送しているのです。かれこれ5年もそうしています。
一体なぜ自宅からなのでしょう。
その答えは、単に職場と自宅が遠いから。放送局はネブラスカ州にありますが、フォックスさんはカリフォルニア州に住んでいます。
そんなことが許されるなんて、やはりアメリカは革新的な国です。初めてこの事実を知った時には、私も腰を抜かしました。
日本のテレビの天気予報は、グラフィックアートさん、メークさん、衣装さん、ADさん、カメラマンなど、様々な人々が分業して支えているので、たった一人で仕事をしてしまうというのは、なかなか考えられないことです。しかし彼の仕事ぶりを見る限り問題なさそうですし、より自然体でのびのびと仕事をしているようにも見えます。
世界三大投資家のジム・ロジャースさんは、新型コロナウイルスの影響によって、食事の宅配サービス、オンライン教育、さらにリモートワークなどが著しく広がっていくだろうと話しています。そう遠くないうちに、気象キャスターもテレワークが当たり前になる日が来るのかもしれません。