エンゼルス大谷、調停を回避して2年総額9億円で契約延長。ケガのリスクを考慮されて長期大型契約はお預け
メジャーリーグのロサンゼルス・エンゼルスは2月8日(日本時間9日)に、大谷翔平と2年総額850万ドル(約8億9250万円)で契約を延長したと発表した。
メジャーで3年目のシーズンを終えた大谷は今オフに年俸調停の資格を得て、2021年の希望年俸を330万ドル(約3億4650万円)と球団に伝えていた。対する球団側の提示は250万ドル(約2億6250万円)で、両者の間には80万ドル(約8400万円)の開きがあった。
両者は年俸調停委員会の公聴会を前に、21年は300万ドル(約3億1500万円)、22年は550万ドル(約5億7750万円)の2年契約の延長で合意した。
大谷翔平 メジャー最初の3年間のrWARと年俸
1年目 2018年 4.0 55万ドル (新人王)
2年目 2019年 2.5 65万ドル
3年目 2020年 -0.4 70万ドル
2年総額850万ドルで契約延長
マイク・トラウト メジャー最初の3年間のrWARと年俸
1年目 2012年 10.5 49万ドル (新人王、MVP2位)
2年目 2013年 8.9 51万ドル (MVP2位)
3年目 2014年 7.7 100万ドル (MVP)
6年総額1億4450万ドルで契約延長
メジャーでの最初の3年間で活躍した選手は、年俸調停の権利を得た3年目を終えたオフ(もしくは3年目のシーズン中)に球団と長期の大型契約を結ぶケースが多い。
メジャー6年目を終えてフリーエージェントとなったときに、看板選手を失うリクスを避け、球団側が早めに囲い込んでしまう。
例えば大谷のチームメートのマイク・トラウトは、3年目のシーズンが始まる前に6年総額1億4450万ドル(約152億円)で契約を延長。4年目の年俸は525万ドル(約5億円)、5年目は1525万ドル(16億円)に跳ね上がった。
大谷も1年目の成績を3年間続けていれば、6年総額1億ドル(約105億円)以上の大型契約を提示されても不思議ではなかった。
しかし、度重なるケガに見舞われて、フルシーズンを健康でプレーしたことがなく、投手としては3年間合わせて12試合しか登板できていない。
加えて、2020年は打者として打率.190、OPS.657と大不振に苦しみ、rWAR(ベースボール・レファレンス版のWAR)は打者として0.1、投手では-0.5とどちらもメジャーリーガーのレベルに達しなかった。
エンゼルスとしてはケガが多い大谷に長期契約を提示するリスクを回避して、2年の契約で様子見をする形を選んだ。
今年、大谷がメジャー1年目並の活躍をすることができれば、両者は来オフにも契約の見直しに動くかもしれない。
トラウトも2019年の開幕前に、契約を残り2年間残しながら、契約を見直して、新たに12年間総額4億2650万ドル(約447億円)で契約を結び直した。
2021年シーズンは大谷にとって真価を問われるシーズンとなる。