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「最終戦、しっかり集中して臨みたいと思います」藤井聡太竜王(19)B級1組「ラス前」勝利後コメント

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

藤井聡太竜王「(先手で横歩取りとなり)序盤はできるだけ穏やかに進められればというふうには思っていました。(中盤は)こちらの飛車の位置がなかなか定まらない展開が続いて。ちょっと、そうですね、構想の立て方が難しい局面なのかなというふうに思っていました。(45手目)飛車角交換になったあたりは主張はあるのかな、と思っていたんですけど、ちょっとまだ具体的な戦果が挙げられるかは難しいところなのかな、と思っていました。(61手目、銀取りに)▲3四歩とたたいて攻めていったあたりで、いけそうかなと思いました。(これで9勝2敗)最終戦、自力ということになると思うので、しっかり集中して臨みたいと思います」

※本局終了後しばらくして、稲葉陽八段が勝利。今節での藤井竜王のA級昇級は決まらなかった。最終戦、藤井竜王は佐々木勇気七段戦に勝てば、他の結果は関係なく昇級が決まる。

阿久津主税八段「(後手番で横歩取りに誘導して)なんとも言えない展開かなと思ったんですけど。うーん、飛車を(中段で)うまく安定されてしまって。じわじわと苦しくなってしまったのかなというふうに思いますね。中盤戦でまあ、難しい順もあったんじゃないかな、というふうに思うんですけど。いや、そこでなんか、展望が見えない手が多くて。結果はまあ、より差がつく手を選んでしまったところがちょっと、うーん、内容的によくなかったかなと思っています。(一番後悔するところは?)うーん、なんでしょうね(苦笑)。中盤過ぎてから、飛車のポジションとか、そういうところで差がつきやすい将棋だとは思ったんですけど。(39手目)▲7七桂と跳ばれた局面ぐらいで、ちょっと▲5五飛車とかの揺さぶりとか、いろいろ見えて。もう少しうまい対応があったのかもしれないんですけど。ちょっとそれがわからなくて。夕休のところは全然ダメにしてしまったあたりですかね」

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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