ホームランだと思ってゆっくり走っていて、二塁でアウトになる
4月29日の1回裏、ホルヘ・ポランコ(ミネソタ・ツインズ)は、前日の通算100本目に続き、101本目のホームランを打った……と本人は思った。けれども、記録はシングル・ヒット。二塁でアウトになった。
打球は、ライトのフェンスの上部付近に当たって跳ね、フィールドに戻ってきた。ライトを守っていたニック・プラット(カンザスシティ・ロイヤルズ)が、それを拾って二塁へ送球。捕球した遊撃手のボビー・ウィットJr.が、ポランコにタッチした。上の写真が、その場面だ。
アウトになった直後、何が起きたのか、ポランコはわからなかったようだ。一塁を回ってからも、ライトのほうを見ながら走っていたが、スピードはまったく上げていない。
同じ試合の7回裏には、左右の方向こそ違うものの、同じような打球があった。ポランコのチームメイト、バイロン・バクストンが打ったボールは、レフトのフェンスの上部に当たり、フィールドに戻ってきたように見えた。
ポランコの件があったからかどうかは不明ながら、バクストンはスピードを落とすことなく、二塁に達した。
審判たちが協議した結果、こちらは、通算104本目のホームランとなった。映像では判然としないが、落下地点は、フェンスと客席の間にある、植え込みだったようだ。
仮に、ホームランではないと判定された場合でも、ポランコと違い、バクストンはアウトにはなっていなかった。
また、同じ日に行われた別の試合では、こんなことも起きている。マウンドにいたカルビン・フォーシェイ(タンパベイ・レイズ)は、ルイス・ロバートJr.(シカゴ・ホワイトソックス)が打った、遊撃前の内野安打になりそうなりそうなボールを捕り、振り向きざまに一塁へ投げた。間一髪のタイミングと思いきや、ロバートJr.は全力で走っていなかった。
ホワイトソックスの本拠地、ギャランティード・レイト・フィールドの観客は、ロバートJr.にブーイングを浴びせた。
昨シーズン、ホワイトソックスの監督は、選手に全力疾走をしないよう、指示を出した。ただ、当時の監督は、トニー・ラルーサだった。現在は、ペドロ・グリフォールが采配を振っている。また、今回のロバートJr.の打球は、ラルーサが言っていた「ルーティン・アウト」には該当しないはずだ。
ラルーサの指示とその意図については、こちらで書いた。