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自転車の「酒気帯び運転」疑われて呼気検査を求められた!拒否したらどうなる? #専門家のまとめ

前田恒彦元特捜部主任検事
(提供:イメージマート)

改正道路交通法の施行により、今月から自転車の「酒気帯び運転」も処罰の対象となりました。最高で懲役3年、罰金でも50万円以下です。さっそく施行初日から各地で検挙者が相次いでいます。夜半の飲み屋街を自転車で走行中、ふらついているといった理由で警察官に「酒気帯び運転」を疑われ、飲酒検知の呼気検査を求められた場合、拒否したらどうなるでしょうか。参考となる記事をまとめました。

ココがポイント

「夜半の飲み屋街で検問したり、ふらついている運転者に職務質問したりし、『酒気帯び運転』で検挙することが可能となった」
出典:Yahoo!ニュース エキスパート 前田恒彦 2024/11/1(金)

「呼気検査を(中略)拒否すれば(中略)『呼気検査拒否罪』で現行犯逮捕」「それでも拒否したら、令状に基づいて病院で血液を採取」
出典:Yahoo!ニュース エキスパート 前田恒彦 2021/6/19(土)

「呼気検査について、(中略)実際にアルコールを保有していなくても、酒気を帯びていたと疑うべき徴候があれば足りるとされている」
出典:弁護士ドットコムニュース 2023/8/24(木)

自転車の「酒気帯び運転」罰則強化 スマホ見つめる「ながら運転」も 初日に大阪では酒気帯び運転7件

エキスパートの補足・見解

憲法には「何人も、自己に不利益な供述を強要されない」という規定があり、呼気検査を義務付けることは違憲ではないかと裁判で争われたこともあります。しかし、呼気検査は供述を得ようとするものではないから、憲法違反には当たらないというのが最高裁の判例です。

飲酒運転がバレるのを避けたいがため、あるいは単に警察のやり方が気に入らないということで、「呼気検査など断固拒否する!」と警察官に強気に出る人もいるかもしれません。

たとえ基準値未満のアルコールしか検出されなくても、呼気検査拒否罪で逮捕されるだけ損だし、その罪で起訴されることもあり得ます。最高で懲役3カ月、罰金でも50万円以下です。警察官に飲酒検知の呼気検査を求められたら、素直に応じた方がよいでしょう。

今回の法改正については、酒を提供する居酒屋やレストランなども注意が必要です。店まで自転車でやってきてそのまま帰ろうとしている客に酒を提供し、現にその客が「酒気帯び運転」に及んだら、店側も最高で懲役2年、罰金だと30万円以下に処されます。「飲んだら乗るな、乗るなら飲むな」は自転車も同じです。(了)

元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

元特捜部主任検事の被疑者ノート

税込1,100円/月初月無料投稿頻度:月3回程度(不定期)

15年間の現職中、特捜部に所属すること9年。重要供述を引き出す「割り屋」として数々の著名事件で関係者の取調べを担当し、捜査を取りまとめる主任検事を務めた。のみならず、逆に自ら取調べを受け、訴追され、服役し、証人として証言するといった特異な経験もした。証拠改ざん事件による電撃逮捕から5年。当時連日記載していた日誌に基づき、捜査や刑事裁判、拘置所や刑務所の裏の裏を独自の視点でリアルに示す。

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