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【東京】中目黒に5月8日オープン!焼鳥7種に地鶏のたたき、遊び心満載のサラダなど満腹必至の隠れ家

今回冒険するのは、東京都目黒区の焼鳥屋「角レ(カクレ)」。最寄りは中目黒駅。店は山手通りと目黒川の挟まれた一角の新ビルにあった。実はここ、恵比寿の人気焼鳥屋「鳥つた」の姉妹店。5月8日(水)のオープンに先駆け、プレオープン(※有料)に参加した。その焼鳥コースは意外性の連続だった。

統一感のある店内、味わい深い伊賀焼き

真新しいカウンター、伊賀焼きのゲタ、灰色がかったシックな店内。カウンター以外にもテーブル席が充実していて、思っていたよりも箱が大きく感じた。居抜きと違ってスケルトンからの店づくりは統一感がある。しかも、中目黒の新ビル。なんとも贅沢な造りじゃないか。

早速メニューをのぞく。どうやら「角レ」の焼鳥はコースとセットの2種。セットは軽めの「お任せ6串」があるのだけど、ここは焼鳥も一品料理もしっかり味わえるフルコースに決めた。きっと「角レ」の魅力はコースにこそあるのだろうから。

「おっ」と思わせる一品の数々

お椀
お椀

サラダ
サラダ

コースはまずお椀が供された。具は薩州峰地鶏の胸肉にわらびにきのこ。やわらかな出汁の風味に華を添えるのは花柚子だ。ほのかな柚子の香りが鼻を抜けるようで心地いい……。それに、お椀から始まると胃が温まって、食欲もぐぐぐっと湧いてくるようだ。

続くサラダも見るからに個性的! エディブルフラワー(食用花)の上にそっと浮かぶのは、桜の葉で香りづけしたささみの昆布〆。それらを箸で崩して混ぜ合わせて口に運べば新食感。好みとしては「花より葉っぱ」なのだけど、これはこれでアリ(ドレッシングもうまい)。

しっとりとした薩州峰地鶏のたたき
しっとりとした薩州峰地鶏のたたき

串のトップバッターはまさかの手羽?

手羽
手羽

お待ちかねの焼鳥は、まさかの手羽から! 地鶏の手羽とあってしっかりと食べごたえのある弾力。おっと、これは意表を突かれたなぁ。手羽というとだいたい後半に出ることの多いネタだけど、店主の大林さんに理由を聞いてみると……

「フルコースなので最後に手羽を食べるよりも、最初に味わってもらったほうがおいしく感じられると思うんです」

親鳥の塩つくねは食感豊か
親鳥の塩つくねは食感豊か

みずみずしいアスパラ
みずみずしいアスパラ

和洋折衷、五感が刺激される白あえ

いちごの白あえ
いちごの白あえ

「春の白あえです」と差し出されたのは、天高に盛り付けられた一品。「春」というだけあって、いちごを白あえにしているのだという。いちごにくるみ、菜の花、マスカルポーネチーズを合わせ、さらに上にはごぼうの素揚げも添えて。

それをパリリッと崩して食べれば、甘みや酸味、苦みが複雑にからみ合って至福の味わい……。んん。これまた新食感。きっと季節の移ろいに合わせて、旬の果物を使うのだろうな。これはキリッとした白ワインだとか、日本酒にもバチッと決まりそうだ。

ふりそでにうずらの玉子、砂肝

ふりそで
ふりそで

そして、ふりそで。ふりそではむね肉と手羽元の間に位置する希少部位だ。むちっとした弾力と、脂の甘み。薩州峰地鶏の個性なのか、もしくは脱水の加減もあってか、皮目はしっかりとした食感。弾力のある焼鳥が好みなら、きっと刺さるはず。

うずらの玉子
うずらの玉子

うずらの玉子は半熟系ではなく、意外にもほわっと系。こういう洒落た店では半熟玉子が王道であって、ほわっと系が出るのは珍しい。これも意外な一手。これにもきっと、狙いはあるんだろうな。

砂肝
砂肝

焼鳥好きには欠かせない砂肝は、えんがわを間に挟んで。ジャクッと小気味いい食感に続いて、やわらかなえんがわの食感。こういう打ち方も、面白いなぁ。

たけのこ
たけのこ

コースのう焼き野菜は2種。アスパラに続いて出されたのは、じっくり焼き上げたたけのこだ。まぁ、この香ばしさといったら……。まずは塩でシンプルに。そのあとは木の芽みそでコク深く。この2段構えもたまらない。野菜のもつチカラというのは、偉大だ。

焼鳥屋なのに「メンチカツ」?

これまた個性的なのがメンチカツだ。まさか焼鳥屋に来てメンチカツが出てくるとは思いもしなかった。燻製を効かせ、粗挽きにした鶏肉とキャベツ、エリンギで作ったという変化球のようなメンチカツ。メンチであってつくねじゃない。そんな不思議な食体験。

ついソースをかけたくなるところ、そこはぐっと我慢してレモンで品良く。それもいいけれど、ジャンキーな方向に味を振ってもおいしそうだ(ソース派なだけ)。

しっかり焼き上げたせせり
しっかり焼き上げたせせり

ねっとりとしたレバー
ねっとりとしたレバー

メインディッシュは、鴨ロースのすき焼き

鴨ロースのすき焼き
鴨ロースのすき焼き

焼鳥コースの〆を飾るのは、串ではなく一品。それも鴨だ。焼き上げた鴨ロース肉に白髪ねぎ、キンカン(殻が付く前の卵)、えのき。そして、甘辛い味付け……。つまり、すき焼き風。

確かにメニューの品書きには「近江鴨ロース焼き」とはあったものの、まさかすき焼きに仕上げるとは思いもしなかったなぁ。いやいや、視点を変えれば、その品書きならシンプルに焼き上げるも良し、すき焼き風に仕上げるも良し、ということだ。

食べ終わったら一口大のごはんが出されるのも面白いところ。ごはんに鴨のうまみや甘みが溶け込んだたれと、とろりとしたキンカンを混ぜ合わせて……。んん。そりゃあ、うまいよなぁ。

鶏スープ
鶏スープ

角レの壺
角レの壺

「角レ」の由来は……?

お椀に始まり、サラダにたたき、焼鳥、鴨ロースのすき焼き。思い返してみても、遊び心に溢れるコースはだったなぁ。〝姉〟である恵比寿の「鳥つた」のコース内容と比べても随分と挑戦的。中目黒といえば若者の町だけれど、「角レ」はなんというか、飲み慣れている大人にこそハマるような、そんな焼鳥屋なんだと思う。

「屋号は、□に『レ』でチェックしたくなるような店にしたいという思いを込めて『角レ』にしました」と大林さん。

なぁるほど。そういう意味だったのか。そこには「大人の隠れ家」という思いも込められていそうだ、「かくれ」だけに。中目黒も昔から焼鳥の激戦区。ここ「角レ」がどう存在感を放っていくか、今から楽しみだな。

▼冒険のおさらい

①恵比寿「鳥つた」の姉妹店

②遊び心溢れる一品料理が魅力

③□にレ点を入れたなら「角レ」

店舗情報
【店名】角レ
【最寄り駅】中目黒駅
【住所】東京都目黒区青葉台1-30-2
【予約】03-6452-3315
【定休日】不定休
【串のアラカルト】なし
【コース(セット)】3300円~
【鶏メモ】薩州峰地鶏ほか

毎週、焼鳥三昧! 焼鳥を斜めに逆さ撮りする〝ヤキトリスト撮り〟は元祖にして名刺代わり! 「焼鳥は串柄、人柄」をテーマに、大衆的で気兼ねない町焼鳥から、鶏にこだわり1本1本に心血を注ぐ専門店まで焼鳥まみれの日々を送っています。焼鳥好きの方、フォローよろしくお願いします!

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