目印は赤い看板と緑に覆われた軒先

「炭火串焼 もん」の目印は、赤い看板と緑に覆われた軒先。店に入ると木のぬくもりが伝わるカウンターのほか、テーブル席も充実していた。

昔ながらの店の雰囲気ながら、注文はタッチパネル方式と今どきの仕様。まずは乾杯の生ビール。串は名物だというつくねを含めて、数本。お、もつ煮も名物だというなら、それも外せないな。

つくねというと後半に食べるイメージがあるかもしれないけれど、それはたれの場合。塩つくねなら、むしろ初っ端に食べても後味が軽いんだ。ひと口噛めば、ふっくらとしてジューシー。追いかけるように軟骨のコリコリッとした食感が弾けるよう……。

さすが「名物」とうたうだけあって、うまいなぁ。ボリュームもあり、添えられたねぎの香味もいい。もう、おかわり決定。

続いては砂肝。砂肝は大きさによってはカットして打つ店も多いのだけど「炭火串焼 もん」の砂肝はかなり大きく打っている。噛めばザクッと力強い歯ざわり。こういうネタはやや塩が強い方がうまいんだよなぁ。

そして、気になっていたのがこの自家製味噌に漬けたというもも串で、つやっとした照りと白ごまが香ばしい。噛めばふっくらとして、味噌だれの甘さとコク、香りが一体となって口に広がっていく……。

これもうまいなぁ。若鶏のもも肉はジューシーではあるけれど、特段うまみが濃い肉なわけじゃない。そのもも肉に味噌漬けを合わせるアイディア、大正解。これもおかわり候補筆頭だ。

名物のもつ煮は、ボリューム充分

名物だというもつ煮が登場。といっても、鶏のもつじゃなく、豚のもつだ。鶏でも皮や内臓を使ってもつ煮を作ることはできるけど、うまみや甘み、食感のどれをとっても、豚にはそう適わない。

しっかり下処理を施され、とろとろになったもつは最高のつまみ。味噌のコクがすみずみまでしみ込んで、食べたそばからもうひと口を誘うようだ。店によっては豆腐や野菜を入れるところもあるけれど、ほぼほぼ「もつだけ」というボリューム感が潔し！

うずらの肉巻に地鶏「熊野地鶏」のネタも

うずらの肉巻に皮も注文。ふっくらとしたうずらの玉子に豚肉の甘み、たれのコク間違いのないおいしさ。こういうネタがあるのも焼鳥専門店じゃなく焼鳥居酒屋ならではだ。

串を選ぶなかで驚いたのが「熊野地鶏」のもも肉のネタがあったこと！ 三重県産の地鶏で、都内の焼鳥屋でも人気がある。それをまさか土浦でも食べられるとは思いもしなかったなぁ。若鶏とは違って、噛めば豊かなな弾力とともにうまみがじんわり。こういう隠し玉をもっているなんて……あなどれない。

〆は「ちょり盛りラーメン」で決まり

たらふく焼鳥を食べて、つまんで。そろそろ〆をと思ってタッチパネルを操作すると、「ちょい盛りラーメン」の文字。焼鳥を食べてラーメンで締めるなんて、焼鳥好き・ラーメン好きにとっては理想の姿じゃないか。

焼鳥屋らしく鶏肉を浮かべたシンプルな鶏ラーメンだ。鶏スープは思いのほか濃厚なのだけど、添えられたレモンがいい役回り。途中でキュッと搾れば、さわやかな酸味が加わって、後味も軽やかに。〆に食べるのにちょうどいい量、ちょうどいい味わいだった。うーん、満足。

焼鳥あり、肉巻あり。もつ煮、刺し身、揚げ物、つまみあり。焼鳥をはじめ多彩な料理で魅せてくれる「炭火串焼 もん」。いわゆる焼鳥居酒屋なんだけれど、焼鳥を複数ネタ頼んでも一皿に盛り込むのではなく、ちゃんと１種類ずつ出してくれるのが心底、嬉しい。そこは店主の焼鳥愛が感じられるところ。

それに、一人でも二人でも、家族連れでもまったり楽しめるのがいい。店に来たときはまだ客もまばらだったのに、〆を食べるころにはしっかり賑わっていた。焼鳥居酒屋の王道にして見本にもなるような、そんな店だった。また土浦に来たなら、リピート確定だ。

▼冒険のおさらい

①土浦駅から徒歩5分の焼鳥居酒屋

②名物はつくねと、とろとろのもつ煮

③〆のちょい盛りラーメンも必食