春季教育リーグ終了、ウエスタン・リーグはあす開幕です《阪神ファーム》
プロ野球のオープン戦は公式戦開幕を見据えての“本気モード”に入っていきますが、ファームの春季教育リーグは13日で終了。12日から既に公式戦が始まっているイースタン・リーグは10日、また15日開幕のウエスタン・リーグは13日に教育リーグ全日程を終えました。全部で17試合組まれたウエスタンのファーム教育リーグ。中止は3月9日の阪神-オリックス戦(鳴尾浜)だけです。結果は以下の通り。阪神は3月6日の中日戦(鳴尾浜)しか負けなかったんですね。
阪神 6試合 5勝1敗 .833
広島 8試合 4勝4敗 .500
オリ 7試合 3勝3敗 .500
中日 8試合 3勝5敗 .375
ソフ 4試合 1勝3敗 .250
完封勝ちで教育リーグを終了
では最終戦の結果をご紹介しましょう。きのうも1軍からは榎田投手と岡崎選手のバッテリーが参戦し、緒方選手は前日と同じく5番レフトで先発出場。またまたタイムリー2本の2安打2打点で、試合後は1軍オープン戦の関東遠征に向けて甲子園で荷物出しをしています。岡崎選手はヒットがなかったものの犠飛で1打点。彼も、もう1軍に戻りました。緒方選手と岡崎選手のコメントは、次の記事に書かせていただきますので、お待ちください。
なお久々に、というか今季ファームの実戦では最多の6人が登板した投手陣ですが、散発4安打の完封リレー!攻撃では6四球をもらいながら満塁機に2度の3者残塁はありましたが、陽川選手の三塁打が先制&決勝点となり4対0でソフトバンクに連勝です。ことしは相性いいのかな?って、まだ気が早すぎますね。
《春季教育リーグ》3月13日
阪神- ソフトバンク (鳴尾浜)
ソフ 000 000 000 = 0
阪神 001 110 10X = 4
◆バッテリー
【阪神】榎田-岩貞-筒井-小嶋-伊藤和-桑原 / 岡崎-清水(6回~)
【ソフ】山田(4回)-伊藤大(1回)-山下(1回)-星野(2回) / 張本-堀内(7回~)
◆三塁打 陽川
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策)
1]中:江越 (4-0-0 / 1-0 / 0 / 0)
〃一:西田 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
2]一:荒木 (3-2-0 / 0-0 / 2 / 0)
〃打左:一二三 (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0)
3]指:原口 (1-0-0 / 0-2 / 0 / 0)
〃打指:ペレス (0-0-0 / 0-1 / 1 / 0)
4]三:陽川 (2-1-1 / 1-2 / 0 / 0)
〃遊:植田 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
5]左中:緒方 (3-2-2 / 1-1 / 0 / 0)
6]右:中谷 (3-1-0 / 1-0 / 1 / 0)
〃二:坂 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
7]遊三:森越 (4-2-0 / 1-0 / 1 / 0)
8]捕:岡崎 (2-0-1 / 0-0 / 0 / 0)
〃捕:清水 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
9]二右:板山 (4-0-0 / 1-0 / 0 / 0)
◆投手(打-振-球/失点-自責) 最速キロ
榎田 3回 31球 (2-2-1 / 0-0) 140
岩貞 1回 8球 (0-1-0 / 0-0) 141
筒井 1回 22球 (1-3-0 / 0-0) 136
小嶋 2回 23球 (0-3-0 / 0-0) 142
伊藤和 1回 8球 (0-1-0 / 0-0) 139
桑原 1回 22球 (1-0-2 / 0-0) 139
試合経過
まず打線から。1回は1死から荒木が内野安打で出て2死後に盗塁、キャッチャーの送球が逸れて三塁へ進みます。陽川と緒方は連続四球で2死満塁となるも、中谷は三ゴロで無得点。2回は三者凡退でした。しかし3回は2死から原口が四球を選び、続く陽川が右翼線への三塁打!4回には中谷が中前打し、すかさず盗塁を決めて森越の右前打で無死一、三塁。岡崎の中犠飛で2点目が入ります。
5回にソフトバンクは2人目の伊藤大が登板。中前打した荒木がすぐに盗塁を決め、原口と陽川は連続四球で無死満塁。緒方の中前タイムリーで3点目。なおも無死満塁でしたが中谷と森越が続けて三振を喫し、岡崎も二ゴロで3者残塁。1点止まりです。6回は3人目・山下に対して、板山が上林のファインプレーで左飛に。江越と代打・一二三は三振でした。星野に代わった7回、代打・ペレスが四球を選び、陽川の三振で盗塁。緒方の中前打で二塁から生還します。
次の坂は中飛で、森越の打席で緒方が盗塁失敗。これで3死となり、8回は森越が左前打で出るも清水は遊ゴロ併殺打、板山は空振り三振で攻撃終了。ちなみに成功した5盗塁のうち4つは初球に走ったものです。
そして投手陣。先発の榎田は1回、先頭の上林に右前打され、1死後に牧原の内野安打(バントヒット)で一、三塁。4番の猪本は空振り三振で2死となりますが、塚田に死球を与えて満塁。しかし張本は右飛に打ち取って無得点。2回と3回は三者凡退です。ついで4回は岩貞が、先頭の猪本から空振り三振を奪うなど三者凡退!5回は筒井が登板し、先頭の河野に内野安打、幸山の三振で盗塁を許したものの古澤と上林も三振。3連続三振で0点に抑えました。
後半の捕手は清水。投手は4人目の小嶋で、6回は城所を三邪飛に打ち取ったあと牧原は真っすぐで見逃し三振、猪本はチェンジアップで空振り三振。7回も1三振などで三者凡退です。8回は伊藤和。先頭の代打・金子将からチェンジアップで空振り三振を奪い、残りは三ゴロ2つの三者凡退!投手交代のためブルペンへ向かう久保投手コーチは、みんなが投げ終える度に「これは開幕投手やなあ」と、楽しげに笑います。
そして9回は桑原が登板。いきなり城所に四球を与え、牧原の二ゴロで走者が入れ替わって猪本に中前打を浴び1死一、二塁とします。2死後、堀内への四球で満塁のピンチを迎えましたが、河野はピッチャーゴロ。ダッシュして捕った桑原が、そのまま全力で一塁へ走りこんで試合終了。
この時、桑原投手が右手を気にしていたので試合後に聞いたら「いえ、大丈夫です」という返事。でも内野手や清水選手に手を見せていたので…。「入った!って言っていただけです(笑)」。そうなんですね。それならいいんですけど。0点に抑えられて何より。「ギリギリでしたねえ」と苦笑いでした。
掛布監督「板山は“こだま”で」
では掛布監督の談話です。最初は投手陣について「岩貞はよかったんじゃない?スライダー、カットボール、チェンジアップ。1イニングってのは久保コーチが決めていた。1軍で投げることを考慮してだと思うよ。彼も1回くらい上で投げないとね。榎田もよかったし、筒井も小嶋も伊藤も、桑原はフォアボール出しちゃったけど、きょうはみんなよかったよ」とうなずきました。
ついで「緒方は素晴らしいね。ボールの見極めもいいし。ヒザの状態がいいんだろうね。下半身の使い方がいいから、あんなにヘッドスピードも速い。陽川はもう少し時間がかかるだろうね。ある程度は納得させる数字、ホームランの含めての数字が必要になる」とのこと。
なお、あす15日に亜細亜大学の卒業式を迎える板山選手に「ヒットを打てば出席していい」と言っていた掛布監督。結果はノーヒットで「こだまで行け~(笑)。のぞみには乗るなって言っとく」と。卒業式にはもちろん出席予定でしたが、板山選手も「ヒット打ってないから」と苦笑い。こだま乗車指令を伝えると「こ、こだまっすか!」と目を丸くしていました。できれば卒業式に出て、翌16日から1軍の関東遠征に合流というのが理想だったと思いますが…開幕まで10日あります。鳴尾浜6連戦で大暴れしときましょう!
みんな調子がいいので、逆に焦りはない
榎田投手のあと、4回1イニングを投げた岩貞投手。宜野座キャンプの練習試合・楽天戦(2月16日)以来のマウンドでした。振り返って「制球も今まで通り自分の狙ったところに投げられたし、やりたいことはできた。球も勢いも戻ってきたと思う。きょうはカットボールを多めに。変化球もそれなりに投げられたのでよかったです」とのこと。真っすぐの最速が141キロで「悪いボールではない」と言っています。
開幕が近づいてきました。まだ10日あるのか、もう10日しかないのか、心境はどうなんでしょう。「みんなの調子がいいので、かえって焦っていません。調子が悪かったら、今チャンスなのに、と焦るかもしれないけど。ようやく投げらるようになったし、きょうもそれなりに投げられたので。今後、先発を言われると思いますが、準備できているというところをアピールしていきたい。スピードも、きょうカットボールで139、140キロが出ていたし、もっと出ると思います」
ちなみに『背中の筋疲労』で別メニューとなっていた岩貞投手。「30球か40球くらい投げたら疲労があったけど、痛みはなかった」とか。昨年は12月後半まで、台湾のウインターリーグで投げていましたからね。でも痛み以外に自覚症状がどう出るのか、山下トレーナーに尋ねたら「いつも通り投げているのに、腕が上がりにくいとか背中が張るとかですね。階段を登ったら疲れるでしょう?痛みはなくても。それと同じで、いわゆる疲労感」という説明。ありがとうございます。よくわかりました。
前回つかんだものを今回に生かせた
次は伊藤和投手です。8回1イニングを、わずか8球で三者凡退!先頭の代打・金子将選手から空振り三振を奪ったのは126キロのチェンジアップでした。球速はそんなに上がっていませんが「でも球質はよくなっています。この前(3月8日・近畿大学戦)の3イニング目で少しつかんだ感じがあって、それをきょう生かせたと思う」と手応えを感じている様子です。
つかんだ感じ、というのを説明するのは大変だろうなと思いながら…でも聞いてしまいました。「左脇腹を痛めてから使えていなかったんですけど、この時(8日)は、そのわき腹を意識して使って投げたらよかった」。申し訳ないことに投げる動きまで交えて、その左脇腹を「こうクッと」と捻る?折り曲げる?仕草をしてくれた伊藤和投手。「なんていうか、難しいですねえ」と苦笑させてしまって、すみません。ありがとうございます。
「痛めたあとはずっと使わないようにやってきたんです。痛くないよう無意識のうちに、かばってしまって」。そりゃそうでしょう。クシャミをしても飛び上るほど痛いとか。日常生活にも影響するぐらいなんですね。「やっぱり怖さが取れなかったですね、ずっと。でもこの前は、使ってみたらいけた。いい感じでした。だけど、これからしっかりケアとトレ―ニングをしていかないと。またやってしまうと時間がかかるので」。そう話す顔はとってもスッキリしていました。
先制の三塁打にも笑顔は無し
先制のタイムリー三塁打を放った陽川選手は「打ったのは真っすぐです、多分。でも…、あれの前に仕留められる球がいくつかあった」と反省の言葉。「タイミングを取るのが遅いとわかっていて、修正できなかったのがよくない。ボール球にあまり手を出さなかったのはよかったと思いますけど」。掛布監督は、もう少し時間がかかりそうと話していました。「キャンプで言われたことをもう一回見直してやっているところです」
まだ1軍、ファーム合わせて1本もホームランが出ていないので、ここはぜひ陽川選手に放り込んでほしいと言ったら「狙ってないですよ」と。でも狙わずして、ヒットがホームランになればいいですよね。ちなみに昨年は横田選手が教育リーグでファーム1号を打っています。ウエスタン・リーグ開幕戦(雁の巣)で伊藤隼選手が、ソフトバンク・五十嵐投手からソロホームランを放ったのが公式戦チーム初でしたね。ことしは陽川選手に期待させていただきます!