第28エンド「ミックスダブルス世界選手権が開幕、日本代表のチーム阿部はラトビアに敗れて黒星発進」
ミックスダブルスの世界選手権「World Mixed Doubles Curling Championship 2017」が、カナダ・アルバータ州レスブリッジで開幕した。
平昌五輪から正式種目となったこのMDだが、今大会はその平昌のトライアルも兼ねている。日本代表は先月、北見市常呂町で行われた「第10回 全農 日本ミックスダブルスカーリング選手権大会」のウィナーである、阿部晋也、小笠原歩によるペアだ。
グループリーグ初戦の相手はラトビア。LSDの結果で後攻を奪われると、序盤からアイスコンディションを掴めずにスティールを許してしまう。3エンド目に阿部がセットアップに成功し、小笠原も精緻なドローを決め、3点を奪うも、「(公式練習をした)昨日とちょっと変わっていた」というよく曲がる氷にアジャストできずにエンドは進む。6エンドには4点を取られて万事休す。最終的には4-8で初戦を落とした。
「自分たちが崩れるとこうなることは分かっていたので、この負けから繋げていかなければいけない」(小笠原)
「チャンスはあった。ヒットの精度を高めていきたい」(阿部)
とそれぞれ振り返ったが、予選は残り6試合。一刻も早くアイスを読む必要がある。
というのは、日本は平昌五輪出場のためには、できればグループ上位でプレーオフ進出を決めたいからだ。
MDの世界戦はオープン参加だ。競技者がいて協会があれば、どの国にも地域にも出場権が与えられる。今大会の参加国は39カ国。8国×4、7国×1の5グループに分かれ、各組上位3チームの15国に各組4位のチームのうちDSC最上位国を加えた16カ国がプレーオフに進出する。
ベスト16の組み合わせは、上記16カ国すべてにランキングをつけて決定する。各組首位通過の5チームでDSCの上位国から1位2位…5位まで決め、同様に2位通過のチームのDSCの順番で6位-10位が決定。3位通過が11位-15位で、ワイルドカードが16位となる。
上記ランキングで上位のチーム同士はベスト16では対戦しないレギュレーションになっている。順当に予選が終わればだが、ランキング上位で通過すればするほど、カナダやスイスなどの強豪国や、昨年の優勝国であるロシアのペア、同準優勝の中国といった強いチームとの対戦を避けられる公算だ。
また、平昌五輪出場のオリンピックポイントは12位以上に与えられる。日本は昨大会で予選敗退しているのでポイントは保有していない。平昌五輪出場にはクオリファイ、さらにラウンド16での勝利が最低条件だ。おそらくそれでもポイントは足らないので、最終的にはベスト4以上の結果が求められてくるだろう。
明日はブラジル戦。グループリーグ突破のボーダーは1敗か2敗と考えられているので、もちろん星は落とせない。そのうえでアイスの曲がり幅などを確認し、ショットの精度を上げていく作業を同時にこなさないといけないゲームになるだろう。
もちろん、この競技を本格的に始めて2ヶ月そこそこのペアにクオリファイやベスト4、五輪出場を押し付けるのは、ある意味では無責任だ。しかし、日本のカーリング界を牽引してきたこのペアだからこそ、あるいはという期待も小さくないのも事実だ。
NHK-BSで中継予定のグループリーグ最終戦、vs.フィンランドまでにしっかりパフォーマンスを上げていってほしい。プレッシャーを力に変える。このペアならそれができると多くのファンが信じている。