【缶スプレーで失敗しないために】プライマーを使えば塗料はこんなに剥がれにくくなる!
皆さんは缶スプレーで塗装をしたけど、せっかく塗った塗膜が「ペリペリッ」と剥がれてしまてショボーンとなってしまった経験はありませんか?
それはいくつかの原因がありますが、一番多いのは「素材と塗料の密着性不足」です。塗装では、塗料と素材との相性が非常に重要ですが、通常 塗装を行う場合 ≪下塗り・中塗り・上塗り≫ の3工程で行われます。この最初の工程の下塗りのことを ≪プライマー≫ といいます。
プライマーとは英語のprimary(最初の)が語源ですので「最初に塗る塗料」として下塗り塗料を総称して、「プライマー」と呼びます。
下塗りは中塗りや上塗りなどの仕上げ塗料との密着性を高める役割などをもっており、塗装工程の中でも大切な役割を担っているのです。先の塗装剥がれは、この下塗りをしなかったことによる密着性不足から招いた結果もでもありますね。
また、下塗りというと「シーラー」と混同しがちなのですが、seal(密閉する)を語源とするシーラーの主な役割にはプライマーが持つ中塗り・上塗りと素地の密着性向上のほかに、下地の吸い込み止めも含まれます。そのため、セメントやコンクリートが原料の素材にはプライマーよりもシーラーを使用されていることが多いです。
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さて、今回試してみたいのは、ニッペホームプロダクツ株式会社の「マルチミッチャクプライマー」です。名前で、すでに効能を語りつくしてる商品が多いですがこれも御多分に漏れず、「マルチ(な素材に)ミッチャク(密着する)プライマー」 ・・・ まんまですね。非常にわかりやすい(笑)
念のため補足いたしますと、
・幅広い用途に使用できる油性(弱溶剤)1液型プライマーで、上塗りにラッカー、油性、水性を塗ることができます。
・プラスチック(PE、PP、ABS樹脂、PET)、FRP、ガラス、アクリル板、そして、亜鉛メッキ・アルミ・ステンレス・ガルバリウム・クロームメッキ・人工木など塗料の密着の悪い金属などの幅広い素材に使うことができます。
論より証拠、とりあえず使ってみたいと思います!
マルチミッチャクプライマーの性能を試すのにどんな素材がいいか?と考えたときにたまたま机の上にあったのがコレです(↓)クリアファイル!
素材はPP(ポリプロピレン)でしょうか? ご存じの通り、表面はツルツルでしかも柔らかく、普通にスプレーで塗装しても速攻で剥がれること間違いなしの「塗装が難しい」素材のトップクラスでしょう!
しかも、今回はちょっと意地悪なテストをしてみます。
このクリアファイル、本来やるべき事前作業 ・・・ 脱脂や、サンドペーパーなどによる“足付け”作業などは一切ナシ! いきなり「ミッチャクマルチプライマー」を吹き付けます。ぷしゅー。
表面がテカった状態になりました。これで乾燥させます。
ちなみに、今回は素材の統一をはかるためにひとつのクリアファイルを一方は「プライマー 有り」のクリアファイルと、「プライマー 無し」のクリアファイルに切り分けてテストしていきます。
これに、安いラッカースプレーを吹き付けます。できるだけ同じ厚みになるように何回か往復。ぷしゅー、ぷしゅー。
ちなみに、この段階ですでにプライマーの有無の差が出てきました!!
さすが、脱脂も足付けもなにもしてないだけあって、プライマー「無し」のほうはムラになってます。これは塗料の密着性が悪いのが原因で、表面で塗料が動いちゃっているのでしょうね。それに対して、「プライマー 有り」の方はそこそこ均一に塗れています。なるほど、プライマーってのはこういったムラ防止の効能もあるんですね~・・・。
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テスト①爪でひっかいてみる
まずは「プライマー 無し」のほうから ・・・ って、こりゃダメだ(汗) 引っ掻くまでもなく、ちょっと爪が当たったら剥がれます。
そもそも塗料がクリアファイルの上に膜を作っている程度のもので、ぴーーーっと剥がれてくる。ポリプロピレンって、こんなに塗装がしづらいものなんですね~・・・(改めてびっくり)
それでは、マルチミッチャクプライマーを塗った「プライマー 有り」の方を引っ掻いてみます。
・・・お?
おおおお!?
ここでペリッと剥がれちゃったら今回のテストはそこで終了なのでおっかなびっくりでしたが ・・・ 剥がれない。普通に塗膜になってますね~・・・ あ、こりゃ凄いかも。
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テスト②意地悪ですがガムテープで引っ剥がしてみる!!
ここで凶悪で意地悪なテストしてみましょう。ガムテープです。しかも強力タイプ!! 普通だったらここでセロハンテープやマスキングテープ、酷くても養生テープあたりを使うのが妥当なのでしょうが、全く剥がれないってのもテストとしては不完全なので、ここは厳しく(厳しすぎますが)【破壊実験】として、ガムテープでバリッっとテストしてみましょう。
まずは「プライマー 無し」のほうから。
・・・ あっ ・・・ やっぱアカン。ガムテープで剥がすというより、ガムテープを貼った時点ですでに動いた?と思ったら・・・
メロメロメロっと、何の抵抗もなしに塗膜が剥がれました。
あっ、これ、海から帰ってきた日焼け小学生の皮むきみたい(笑)
ラッカースプレーの塗膜がもはや茶色のフィルムになってますね。こりゃすごい。これは逆に、ポリプロピレンのクリアファイルを使えば極薄の幕を作れるってことがわかりました。今の所、役には立たない知識だけど・・・。
そんじゃ、ここが正念場。「プライマー 有り」のほうにガムテープを貼りまして、剥がしていくと・・・
おおおおっ!!
すっげぇ! 剥がれてない!?
いやいやいや、そんなハズはない。だって強力タイプのガムテープですよ? ってことで、今度は勢いつけて「ベッ!」と剥がしてみたら ・・・ やっと塗膜が剥がれました。
剥がれたといってもさっきとずいぶん様子が違いますね。
さっきは全体がメロッと剥がれたのに対して、コチラは部分的に千切れたような有様。
並べてみるとこんな感じ。プライマーの有無で違いは出るだろうと思ってはいましたが、まさかここまでの違いが出るとはね~ いやぁ、やっぱりテストってやってみるもんです。
剥がれた端っこを爪で引っ掻いてみると、「プライマー 無し」は、ペロペロ剥がれてくるのに対して、「プライマー 有り」のほうは塗膜の傷は付けども剥がれてきません。
マジか。
ここまで違いがでるんですね・・・。
表面の傷は塗料の強度なので、これがもっと上級の缶スプレーや、二液性のウレタン塗料なんかを使った場合なら傷もつかずにもっと塗膜が強靭になるはずです。
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・・・というわけで、今回は「マルチミッチャクプライマー」を使って、プライマーの有無による塗膜密着性の違いをテストしてみましたが如何でしたでしょうか??
今回はPP(ポリプロピレン)のクリアファイルでテストしてみましたが、この「マルチミッチャクプライマー」はPPのほかにも、ABSやFRP、ガラス、アクリル板、そして、亜鉛メッキ・アルミ・ステンレス・ガルバリウム・クロームメッキ等のあらゆる“剥がれやすい”素材の塗料の密着性を高めてくれるので、オートバイや車の塗装の幅を広げてくれると思います。
プライマーといえば超有名な製品もありますが、このマルチミッチャクプライマーはお値段がお手頃なのが有難いですね~!!!
今度はバイクの部品塗装に使ってみようかと思います! 今回もご視聴ありがとうございました~♪