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ビジネスパーソンへ。朝の牛乳1杯が、脳をダメージから守り、集中力を維持する。

水野雅浩/健康マネジメント健康マネジメント専門家

こんにちは、健康マネジメントスクール水野雅浩です。

ビジネスパーソンにとっての人生100年時代

近年、リンダ・グラットン氏の『ライフ・シフト』がきっかけになり100年時代という言葉が当たり前になりました。

人生100年時代は、ビジネスパーソンにとって「働く年数」が長くなったことを意味します。別の言い方をすれば、認知症にならず、「頭が冴えている状態」をどれだけ長く保つことができるかが勝負の時代、に入りました。

過剰な「糖質」が脳のダメージとなる

では、脳をダメージから守り、集中力を維持する、                  「脳をよい状態」に保つためには何をすればよいのでしょうか?

本日、ご紹介するのは、忙しいビジネスパーソンでも簡単にできる           「朝の牛乳1杯」習慣です。

脳にダメージを与えるものは加齢、ストレス、睡眠不足、社会的孤独など様々あります。  中でも、近年、大きな課題となっているのが、「糖質」です。

糖質と聞くと、炭水化物に含まれる白米、麺類、パンなどが頭に思い浮かびます。

しかし、より問題なのは、「見えない糖質」。缶コーヒー、ジュース、エナジードリンク、栄養ドリンク、スポーツドリンクなどのドリンク類には総量の約10%は、糖質が含まれています。つまり550mlのペットボトルには、約55gの糖質が含まれています。3gのシュガースティック換算にすると、20本弱の糖質が含まれていることになります。

こうしたドリンク類は、多くの糖質を含みますが、水分に溶け込んでいるため無自覚に過剰摂取を繰り返します。過剰に糖質を摂取すると喉が渇くため、さらにドリンク類を買い込んで飲んでしまい、さらに過剰摂取となる。これは、「ペットボトル症候群」と呼ばれ大きな問題となっています。

私は、新卒から10年間介護の仕事をして来ました。その中で、何百人という認知症の方々を見てきました。実際に認知症の方々に接して驚くのは、多くの方が「高血糖」なのです。つまり、血液の中に過剰に糖質があふれている状態。この高血糖状態が血管を傷つけ、脳にダメージを与えるのです。「認知症」が、「脳の糖尿病」と言われる所以です。

糖質から脳を守るには、朝の1杯の牛乳から。

脳を過剰な糖質から守る習慣。その一つの答えに、「朝の牛乳1杯」習慣があります。

「脳を守る」という視点においては、テキサス大学の研究グループは、朝の牛乳習慣は、「脳血管障害で死亡するリスクは42%低下させる」という研究を発表しています。脳血管障害とは、脳の血管が破れたり詰まったりする疾患で認知症の原因の一つになります。

また、「集中力を維持する」という視点においては、カナダのゲルフ大学とトロント大学の研究グループの発表で、朝食で牛乳を飲んだときと、水を飲んだときとを比較する試験を行った結果、牛乳は朝食だけでなく、昼食の食後の血糖値の上昇をまで抑えることを報告しています。

食後に極端に眠くなり、集中力を維持できなくなる人がいます。それは、食後の血糖値が極端に上がり、それを抑えようとインスリンが過剰分泌するため、逆に血中に糖質が枯渇してしまうことにあります。

朝の牛乳1杯を習慣にして、血糖値の乱高下を防ぐことは、集中力を維持することにつながるのです。

牛乳はカルシウムがリッチに含まれているため、メンタルを安定させる上でも役立ちますし、乳製品のたんぱく質が、糖質から脳を守ってくれるという上でも、嬉しいですね。

牛乳が苦手な人は、ヨーグルトで代用

一方、「牛乳を飲むとお腹を壊してしまう。ちょっと苦手なんだよなー」という人もいるかも知れません。私もその一人で、牛乳に含まれる乳糖が体に合わず、お腹がゴロゴロしてしまうのです。

そんなときは、ヨーグルトで代用してみましょう。ヨーグルトであれば、乳糖が分解されているのでお腹を壊すことなく習慣にできるはずです。

ビジネスパーソンよ、脳活投資を始めよう

改めては、私たちは、人類史上最長の人生を生きることになりました。この新時代において、ビジネスパーソンとしてパフォーマンスを発揮しつつ働き続けるためには、「頭が冴えている状態」をどれだけ長く保つか、が勝負になります。

目先のことを考えると、缶コーヒーや、エナジードリンクなどに目が行きがちです。しかし、それらは、糖質が過剰で、逆に脳にダメージを与える可能性を秘めています。人生100年時代を生きるビジネスパーソンには、長期目線で「脳活」を行っていくことが求められているのです。

ブレインケアのためにやることはそれ以外にもやることが多々あるのは事実です。

しかし忙しいビジネスパーソンも「朝一杯の牛乳習慣」であれば無理なくはじめられるはず。

ビジネスパーソンとしてやりたいことを、思う存分やり続けるためにも、コツコツと脳をダメージから守る健康投資を行っていきましょう。

【参考文献】Consuming milk at breakfast lowers blood glucose throughout the day(Elsevier 2018年8月20日)Effect of milk protein intake and casein-to-whey ratio in breakfast meals on postprandial glucose, satiety ratings, and subsequent meal intake(Journal of Dairy Science 2018年8月19日)New research could banish guilty feeling for consuming whole dairy products(テキサス大学 2018年7月11日)

プロフィール

健康マネジメントスクール 水野 雅浩(みずの まさひろ) 

1975年生まれ 福岡県在住 予防医学の専門家。健康経営アドバイザー。講師・作家。『グローバルで勝つ!太らない疲れない7つの習慣』はAmazon総合ランキング1位。香港の勤務時代に、食事・睡眠・運動・ストレスケア・サプリメントに気を使い仕事のパフォーマンスを上げるビジネスパーソンを目の当たりにして、日本のメタボサラリーマンとの差に愕然とする。その後、某大手外資系企業のサプリメント商品開発責任者として10年歴任。しかし、サプリメント以前に、日本では健康習慣の基礎の啓蒙が必要と痛感。健康マネジメントの専門家として、企業・大学・行政で講師として啓蒙に力を入れている。

保有資格

日本成人予防協会一級健康管理指導員(認定番号H35366)/健康経営アドバイザー 認定番号3000092)東京商工会議所/健康マスター検定エキスパート 認定番号E1400471/健康美容情報認定協議会 健康美容アドバイザー認定講師/日本ダイエット協会 ダイエットプロフェッショナルアドバイザー/JADP認定 生活習慣病予防アドバイザー/サプリメントアドバイザー(認定番号H35366)/米国NLPコーチング研究所 NLPプロフェッショナルコーチ

健康マネジメント専門家

健康マネジメントスクール代表。作家・講師。予防医学の専門家。健康経営アドバイザ-。『グローバルで勝つ!30代の太らない疲れない7つの習慣』はアマゾン総合1位。企業・行政・大学で「仕事のパフォーマンスを上げる健康マネジメント」、学習塾で「子供の成績を上げる食事・睡眠習慣」をテーマに講師。著書に『親子で作る健康習慣「本番力」で受験に勝つ』がある。中央大学法学部卒業後、介護サービスに携わり10年間、人の老化と向き合う。その後の香港勤務では海外のビジネスパーソンらが実践する健康投資を目の当たりにする。日本に帰国後、12年、外資系ヘルスケア企業で商品開発の責任者を担う。1975年生まれ。福岡在住。

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