三菱重工が開発した陸上自衛隊向け輸送ドローン運用実験を公開
3月15日、三菱重工が開発した輸送ドローンの運用実験を2月28日に行ったと、陸上自衛隊が発表しました。愛知県の無人飛行ロボット実証実験場において100kgの物資輸送を含む自動飛行の検証を行っており、島嶼への輸送が念頭に置かれています。
マルチローター型で回転面は6個、上下にローターが付いてるので12個の電気モーターとローターが装着されています。この輸送ドローンは3月12日に防衛装備庁が公開した三菱重工の小牧工場の写真でも紹介されています。
この三菱重工の輸送ドローンは昨年の2023年6月26~28日に開催された展示会「Japan Drone 2023」で「中型ドローン」という呼称で公開されています。発電用の内燃機関のエンジンと電気モーターのハイブリッド仕様では航続2時間(巡航速度60km/h)で最大積載量200kgという機体性能です。
陸上自衛隊が島嶼への輸送を念頭に置いて輸送ドローンを整備しようとしているのは、明らかにアメリカ海兵隊の計画を参考にしており、同様の能力を獲得しようとしていることは疑いようもないでしょう。
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アメリカ海兵隊が調達を開始したばかりの兵站輸送ドローンであるULS-A小型「TRUAS」は、航続距離9マイル(14.5km)で最大積載量150ポンド(68kg)という能力です。これと比べると日本の三菱重工の輸送ドローンは最大積載量200kgあるので、海兵隊が次に計画しているULS-A中型に匹敵する機体サイズとなっています。
前線の部隊にドローンで兵站輸送を行おうという研究は各国の軍隊で行われていますが、本格的に大量調達計画を始動したのはアメリカ海兵隊が初です。そして日本陸上自衛隊も続こうとしています。
兵站輸送ドローンは島嶼間での輸送に効果を発揮するでしょう。そして有事だけでなく、災害救援でも非常に大きな力を発揮してくれるはずです。