温泉に行くなら、山の温泉か、それとも海の温泉か。

「山を好む人は内向的、海を好む人は外交的」という研究結果もあるそうだが、筆者の場合、どちらを選ぶかは、そのとき置かれている状況によって変わる。

大海原を目の当たりにすると、開放的な気分になって気も晴れるーーというのは筆者だけではないだろう。仕事やプライベートでストレスがたまっているときほど、海に行きたい衝動に駆られる人も少なくないはずだ。

そこで、今回はソロ温泉（ひとりでの温泉旅）で訪ねたい温泉地を５つ紹介しよう。

式根島（東京都）

東京から高速ジェット船で約3時間。島内には4カ所の温泉があり、そのうち３つが海岸に面した野趣あふれる露天風呂。海水浴やマリンスポーツを目当てで訪れる人も多い。宿のほとんどは小さな民宿ということもあり、アットホームなので、ひとりでもさびしさを感じない。

土肥温泉（静岡県）

明るく賑やかな東伊豆に比べて、西伊豆には素朴で静かな温泉地が並ぶ。そのひとつ、土肥温泉は若山牧水をはじめ文人墨客にも愛された温泉地。夕陽の名所でもある。のんびりと海岸線を散策したり、共同浴場で癒されたりするのもいいだろう。

小浜温泉（長崎県）

雲仙国立公園の西麓、橘湾に臨む風光明媚な温泉地。海沿いに十数件の宿があり、素泊まりから対応している旅館もある。夕陽の名所として知られ、海に面した露天風呂や日本一長い足湯なども気分転換には絶好のスポット。

指宿温泉（鹿児島県）

薩摩半島の南端、錦江湾を望む温泉地。砂むし風呂で有名な摺ヶ浜付近に宿泊施設が集中していて、オーシャンビューの湯船をもつ旅館も多い。小さな民宿から大型旅館まで滞在先の選択肢が多く、共同浴場や個性的な日帰り温泉施設も数多く点在。選ぶのに困るくらい、温泉が充実している。

尾之間温泉（鹿児島県）

海好き、山好き両方に愛される屋久島。南部に３つの温泉が集中している。足元湧出の共同浴場「尾之間温泉」のほか、満潮時には海の底に沈む「平内海中温泉」など世にも珍しい温泉も湧く。大型のリゾートホテルもあるが、小さな民宿なども多い。