おかえり!神戸の港に女神が戻ってきたよ。新しいドレスの着心地はどうですか?【神戸市・ポートタワー】
ついにこの日がやってきました。「おかえり」と言うべきでしょうか?それとも新しくなったので「ようこそ」といった感じなのでしょうか。とにかく記念すべき日です。
神戸っ子に馴染みの深い「神戸ポートタワー」 がリニューアルのために姿を隠してしまったのは2021年の9月。いつも当たり前にそこに見えていた風景が突如として消え、そうなって初めて存在の大きさに気付かされたような気がしたのはきっと私だけではないと思います。
夜になると、ライトアップされたランドマークの姿が美しいハーバーランドやメリケンパーク。海洋博物館もイベントがあるごとにその白い姿が青や赤、時にはピンクといったカラフルな彩で照らし出されていますが、その隣にいつもワンセットになって赤く光っていた存在がいないのは寂しいものでした。
スッポリと体を覆われたまま、プロジェクションマッピングなども行っていましたね。それもポートタワーのもう一つの姿でもありました。だけどそれはちょっとした仮衣装のようなもの。その仮衣装を正装に着替えた時には、美しく洗練された新生ポートタワーの誕生です。さて、今までと何がどう違うのでしょうか。
まず、神戸を一望できる「屋上エリア」が登場します。ガラス張りのオープンエア空間から360度、海も山も見渡せる場所が新設されているそうですよ。高さがあるのでちょっと怖そうにも思えますが、きっと綺麗だと思う気持ちのほうが上回るだろうと想像しています。
他にも「赫(かがや)き」がテーマのミュージアムも登場し、そして「回転するフロアでカフェ&バー」も。以前からあったこの回転フロアは現在では修理が難しいということで何と、回転できなくなったら終了かも?とホームページに書いてありました。
今日でちょうど60歳となり人間で言うところの還暦を迎えたポートタワー、だいぶお年を召されているのですから致し方ないですね。あまり無理をせず、ゆるりゆるりとマイペースで回転が続けられることを願うばかりです。
ちなみに、今日は「点灯式」です。完全復活には後もうちょっとかかるようで、リニューアルオープンは来年の春を予定しているそうなんです。だけど、点灯式とはいえ「セレモニー」なので復活の前祝のような気持ちで迎えられたらと思います。だって、神戸の街にまた素敵な赤い姿が光り輝くのですから。
60年間、昼は青空をバックにポーズを取り、夜はライトアップされ神戸を照らし続けたポートタワー。その灯が一度消えたのは「阪神・淡路大震災」の時のことでした。だけどそのまま消え続けるようなことはなく、神戸の街に再び命を吹き込むが如く光り輝いたポートタワー。
その「心のともしび」に力づけられた私たち神戸市民はその灯りを見て「私たちの、神戸の街はなくなっていなのだ」と確信したのではないでしょうか。
来年で震災から29年。いま一度、神戸に生きている私たちの「今」を改めて確認したい時期でもあります。そんなタイミングで復活、そして神戸という街で、私たち神戸っ子の想いをそのまま受け止めて再び光り輝こうとしているポートタワー。改めて、この日がやってきたことを心から歓迎します。
遂にカウントダウンが始まりました。3、2、1…!あぁ、懐かしいあの赤色、新生ポートタワーが夜のメリケンパークに戻って来ました。「おかえりなさいポートタワー!」イベント司会者の声が響き渡ります。
おかえり、そしてお誕生日おめでとう。皆あなたのことを待っていたよ。還暦だけど、赤いちゃんちゃんこではなく赤いドレスがよく似合ってる。来年の春のリニューアルオープンを前に、今日という日を祝います。60歳おめでとう!
今日の彼女は「鉄塔の美女」というよりは「港の女神」といった雰囲気。時代も変わり、力強さから軽やかさへ。まるで神戸の皆の想いを抱いて立っていてくれる守り神のようです。そして山から優しい風を吹かせて海へ、世界へと向かって送り出してくれるような存在に思えました。
神戸っ子の皆さん、どうぞ希望を持って神戸の光を世界へと届けましょう。「BE KOBE」の名の下に。
神戸ポートタワー
神戸ポートタワーHP(外部リンク)
場所:兵庫県神戸市中央区波止場町5−5
ライトアップ時間:日没から23:30
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