HSCの息子が幼稚園にマスクを強制され熱中症が不安。親としてどう対応する?
こんにちは!保育士母さん、しゃーごんです。
現在、子育て支援保育士として地域の公民館や療育教室で親子遊び講座をしたり、地域の保健師さんと一緒に子育て講座にまわったりするような働き方をしながら、子育てに関する情報発信をしています。
そしてわたしも現役の子育て世代で、2人姉弟の育児に日々奮闘しています。
先日、子育て中のお母さんより、お子さんの通う幼稚園の対応に関するこんなお悩みをいただきました。
【ペンネーム/しまさんより】
4月から年少になる息子を育てております。頭を悩ませていることを相談させてください。
息子の幼稚園は、年少からマスクが必須です。ですが、息子は全くマスクができません。好きな柄や素材に変えてもすぐ外してしまいます。
お迎えに行くと、できていないのは息子だけ。先生に毎日「練習させてください」と指導されるので、お迎えが憂鬱です。
多分、息子はHSC気質。服も綿のものしか着ないし、触感や聴覚にすごく敏感です。
息子は、毎日先生にマスクのことを怒られたり、マスクできないと遊戯室に入れないよと先生に仲間はずれにされたりするようで、幼稚園にいきたがらなくなりました。最近は、「マスクやなの」と夜泣きまでするようになり、このまま幼稚園に行かせていいか不安です。もちろん、朝の行きしぶりもすごいです。
先日、厚生労働省から「未就学児は個々の発達や熱中症リスクからマスクは一律求めない」との通達があり、うれしくてすぐ園長先生にマスクしなくていいか相談しました。
ですが、感染はゼロではないので今後もさせるとのこと。
正直、30度ちかくある外遊びの時もマスクさせる園にいらだちすら覚えます。
息子には、熱中症予防のため「暑くて苦しいときは、外していいんだよ」と教えていますが、先生に「ママが外していいって」と言ったようで、伝え方の難しさを感じてます。
私自身が看護師なので、熱中症リスクを過度に心配しすぎなのかもしれませんが、夏場は子どものマスクはいらないと思っているのが本音です。
しゃーごんさんなら、マスクがいやな子どもにどう関わりますか?また、先生にマスクを強制されたら、どのような対応いたしますか?よろしくお願いします。
今回はこちらのご相談をもとに、対応方法や子どものためにできることを考えていきたいと思います。
▼夏場はマスクをつけるメリットよりデメリットのほうが大きい
厚生労働省は先月(令和4年5月20日)マスク着用についての方針を見直す方針を発表しました。「マスクの着用の考え方及び就学前児の取扱いについて」と題した通達では、子どものマスク着用について下記のように定めています。
●これまでも2歳未満については、マスク着用は奨めておらず、この取扱いに変更はない。
●2歳以上の就学前の子どもについては、オミクロン株への対応として、令和4年2月から、保育所等において、可能な範囲で、一時的にマスク着用を奨めてきたが、今般、この取扱いについて、2月の変更前の取扱いに戻す。
具体的には、個々の発達の状況や体調等を踏まえる必要があることから、他者との距離にかかわらず、マスク着用を一律には求めない。
このようになった背景は、これから気温・湿度が高くなる季節になるため、マスクを着用していると熱中症のリスクも高くなることが懸念されたことが理由です。これは厚生労働省の通達の中にも明記されています。
私も特に夏場はマスクをつけるメリットよりもデメリットのほうが上回ると考えており、こちらの通達に全面的に賛成です。また今回のご相談者さんと同じ考えを持っているとも言えます。
▼幼稚園側の対応は本当に子どものためを考えていると思えない
今回のご相談では、幼稚園の園長先生が「感染はゼロではないので今後もマスクをさせる」とおっしゃっているそうです。
ご相談者さんの息子さんは、HSC(Highly Sensitive Child)の気質があり、感覚が敏感なのでマスクをつけるのが非常に難しいご様子がうかがえます。
それにも関わらず、毎日先生にマスクのことを怒られたり、マスクできないと遊戯室に入れないよと先生に仲間はずれにされたりするようで、幼稚園に行きたがらなくなったとのことです。
私は今回のご相談の内容を読んでまず感じたのは「こちらの幼稚園の方針は本当に子どものことを考えてのことなんだろうか」という疑問です。
ご相談者さんのお子さんは、文面から気質的、体質的にマスク着用に強い拒否感があるのが分かりますが、子どもに合わせることなく、子どもを幼稚園側に合わせるような要求をしています。
私は保育士として、本来は保育施設や教育施設が子どもに合わせて対応するものだと思っていますで、その対応にも疑問があります。
子どもに無理矢理マスクをつけさせて、できないときには怒ったり、遊びに入れないような対応をしたりするのが、教育者としてあるべき姿なんでしょうか。
厚生労働省が出している方針にあえて反し、感染がゼロではないという理由でマスクをつけさせるという方針は、正直言ってこれから暑くなる季節にデメリットのほうが大きいと思います。
おそらく幼稚園側は、感染が拡大した時やクラスターが発生した時のために「うちではマスクをつけさせていました」という既成事実を作るために、マスクをつけさせているのではないかと思ってしまいます。
▼子どもの大切な命を守るために
つい最近のニュースでも、高校の体育大会でマスクをつけていた高校生30人が病院に救急搬送されるという出来事がありました。
<参考記事/Yahoo! ニュース>
体育大会中に生徒ら30人が熱中症の症状訴え搬送 大阪
高校生でもこのようなことが起こってしまうのに、まだ判断力が未熟な幼稚園児であればなおさら、外でもマスクをつけて活動するというのは熱中症の予防の観点からも本当に危険です。
そのため、幼稚園がマスクをつけることを推奨するというのであれば、独自にできる対策をしていくしかありません。
ご相談の中で「しゃーごんさん(私)なら、先生にマスクを強制されたら、どのような対応をしますか?」と言ってくださっているのですが、もし私がご相談者さんの立場であればこのようなことを試します。
幼稚園に再度相談する
ご相談者さんはすでに園長先生に相談されていますが、もう一度担任の先生などにも時間を取ってもらって話をします。
そこではマスクの方針のことだけでなく、子どもの気質や特性のことについても理解してもらえるように話ができると理想です。
もし私が保育施設や教育施設に勤める職員であれば、お子さんの特性についてはできる限り理解したいですし、保護者さんにも安心してお子さんを通わせてほしいと思うからです。
安心できる回答がなければ転園を検討する
コロナウイルスの感染が流行り始めて数年。世の中のあらゆる活動がウィズコロナで動き始めています。そんな中、感染がゼロになるまでマスクをさせ続けるという方針は、今後熱中症だけでなく様々なところで悪影響が出る可能性があります。
現にお子さんには行きしぶりや夜泣きという形で、マスク生活のストレスが出始めていますよね。
子どもが活動する環境に、リスクゼロはあり得ませんよね。どんなに注意していても事故が起こることはありますし、マスクをつけることのメリットもあればデメリットもありますので。
マスクをつけて熱中症になるリスクとマスクつけずに感染症が広がるリスクを比べて、どちらを取るかというところに、私やご相談者さんと園側に方針の違いがあります。
世の中の保育施設や教育施設には、コロナともっとうまく付き合って、マスク生活を緩和しているところも多々ありますので、安心できる回答がなければ転園を検討すると思います。
大切なのはお子さんの健やかな成長と、保護者さんが安心して通わせることができる環境ですから。
子どもと対策を練習する
これは、先生とのご相談でも理解が得られず、そしてどうしても転園ができず園の方針に従わざるをえない場合の最終手段です。ご相談者さんのお子さんの場合、マスクをさせるデメリットが大きすぎるので、子どもと練習するのはあまり気が向きません。
ご相談の中で「しゃーごんさん(私)なら、マスクを外してしまう子どもにどう向き合いますか?」ということなんですが、そもそも幼稚園児はマスクをしなくていいと思っているので、無理につけさせません。
どうしてもマスクをつけさせないといけないけれど、どうやってもつけてくれない場合は、マスクに変わる別の感染対策をすると思います。免疫力を高めるような生活習慣、手洗いうがいなどの対策、フェイスシールドや、マウスシールドを試すなどですね。
さらにこれが夏でなく冬ならどうかと言えば、基本的に考えは変わりません。子どもにマスクは必要ないと思っています。熱中症以外のことを考えても、マスクをつけて得られるメリットより、デメリットのほうが大きいと考えているからです。
ご相談者さんのお子さんも、好きな柄や素材の変えてもすぐに外してしまうくらい感覚的に受け付けないお子さんですから、それを無理矢理させることが良い訳ありませんので。
そのため、せめて口のところだけは覆うように練習するなどが方法のひとつかなと思います。
幼稚園側は、形式的にマスクをさせたいだけです。口のところだけ覆う練習をして、マスクをつけている状態を一応作れればそれでいいんじゃないかと思います。
▼マスクが本当に必要なのか、みんなで考えよう
幼稚園側がこんな方針になってしまわないよう、私たち一般市民がマスク着用の考え方に理解を示すのも大事だと思います。
社会全体でマスクをしないことを良しとしていくことが、これからウィズコロナで生きていく私たちの生活を生きやすくしてくれるのではないでしょうか。
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