韓国の“お天気お姉さん”事情と当らぬ気象情報への深刻な不信感
韓国で最近、ちょっとした話題になっている職業がある。近年、韓国では女子アナウンサーが人気で、毎年「新婦として迎えたい女性」で女子アナが上位にランクインしており、“美脚セクシー女子アナ”チョン・イニョンなど、テレビCMにも引っ張りダコになる女子アナが増えているが、最近は女子アナだけではなく、ニュース番組で欠かせぬ天気予報を伝える“気象キャスター”という職業も人気なのだ。
「準芸能人」と言われるキレイな“お天気お姉さん”たち
しかも、そのほとんどが女性たちでもある。もともと韓国では気象キャスターというと、気象予報士然とした男性の気象キャスターが務めることが多かったが、最近では男性の気象キャスターたちの姿はほとんど見られなくなった。
日本風で言うところの“お天気お姉さん”が人気なのだ。8月下旬からは民放テレビ局SBSで女性気象キャスターを主人公にしたラブコメドラマ『嫉妬の化身』も始まり、気象キャスターという職業がにわかに注目を集めているらしい。
(参考記事:【写真】知的なのにセクシーな韓国の“お天気お姉さん”歴代トップ10)
そういったこともあって、最近は気象キャスターたちは「準芸能人」とまで言われている。
ただ、肝心の天気予報に関しては問題が多い。というのも、先月8月25日には世論調査機関であるリアルメーター社が韓国の満18歳以上の成人533人を対象にした興味深いアンケート結果を発表しているのだ。
国民の半数近くが気象庁の発表に不信感!?
「気象庁発表を信頼するか」という問いに、「まったく信頼しない」と答えたのが15.1%、「信頼しないほう」と答えたのが33.5%だったという。
逆に「とても信頼する」としたのはわずか3.5%で、「比較的信頼するほう」と答えたのは43.4%。「よくわからない」が4.5%だった。つまり気象庁への信頼(46.9%)よりも、不信感(48.6%)のほうが上回ったのである。
そして、天気予報が外れるたびに揶揄の対象になりやすいのが気象キャスターでもある。実際、過去にもK-POPの人気ガールズグループのリーダーを務めたともあるアイドルが、ニュース番組で気象キャスターを務めたこともあったが、彼女が伝える天気予報には賛否両論も多かったという。
(参考記事:アイドル、お天気お姉さん、ピンク映画主演女優と転身した、とある女性タレントの波瀾万丈人生)
ただ、天気予報を伝える側にも言い分があるらしい。先日の韓国取材で見たバラエティ番組でもケーブルテレビ局の女性気象キャスターが登場してこんなことを言っていた。
とばっちりを受ける韓国の“お天気お姉さん”たち
「一部の視聴者たちは女性気象キャスターたちの顔やスタイルばかりに関心を注ぎがちですが、私たちは毎日のように気象庁から届く情報を確認していますし、ニュースで読む原稿はもちろん、コンピューターグラフィックの天気予想図のラフまで書くんですよ。衣装だっていろいろと批評の対象になっていますが、自前なんですよ」
(参考記事:気象予報がセクシーショーにも発展してしまう韓国の“お天気お姉さん”事情)
ちなみにこの女性はフリーの気象キャスターとのことだった。韓国では彼女のようにテレビ局と単年契約を交わす契約社員が多いという。以前この欄でも紹介した韓国の女性スポーツアナ事情よろしく、気象キャスターたちもその待遇はあまり変わらないのかもしれない。
ただ、もっと深刻なのは外れまくる韓国の天気予報だ。今年の韓国の天気予報はかなり当らないのである。
韓国では昔から天気予報が外れるが多く、韓国気象庁の別名は「誤報庁」「“クラ(=ホラ吹き)庁”」と言われてきたが、特に今年は誤報が相次ぎ、韓国気象庁の人事や予算の使い方にまで非難の矢が向けられている。
台風シーズン真っ只中の今、韓国に行く機会がある方はまず、韓国ではなく日本の気象庁の情報をチェックしたほうが良いかもしれない。