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「ウーマンラッシュアワー」東京進出の勝算は?

中西正男芸能記者
4月から東京進出する「ウーマンラッシュアワー」

関西で人気の漫才コンビ「ウーマンラッシュアワー」が、4月から拠点を東京に移すことになった。

「THE MANZAI2012」決勝進出、「ABCお笑い新人グランプリ」最優秀新人賞、「NHK上方漫才コンテスト」優勝などのタイトルをゲットし、満を持しての東京進出とも言える。

速射砲のような言葉でまくしたてる高速漫才が持ち味で、かつて島田紳助が絶賛したことでも知られるが、今の漫才スタイルは一朝一夕にできたものではなかった。

ボケ担当の村本大輔は「ウーマン…」を結成までに、10回のコンビ別れを経験。ツッコミの中川パラダイスも以前は「パラフィンキック」というコンビで活動しており、それぞれが解散を経験してから組みなおした“再婚コンビ”なのだ。

「M-1」王者にも数々

実は、今、活躍しているコンビの中にも、この“再婚コンビ”がたくさん見られる。

「フットボールアワー」、「ブラックマヨネーズ」、「笑い飯」ら、「M‐1グランプリ」王者の中にも再婚組が多く、最近では「ピース」もこのパターンだ。

吉本興業を例にとると「ダウンタウン」以降は、ほとんどの芸人がNSCと呼ばれる芸人養成学校を経て、笑いの世界に入ってくる。その多くは学生時代からの同級生や知り合いとコンビを組んでNSCに入学する。

「最初のコンビでなんとか売れようと頑張って、もし芽が出なかったらそのままお笑いの世界から去っていく。これが圧倒的多数なんですが、相方を変えてでも、もうひと踏ん張りしようという情熱を持った人同士が組むのが“再婚コンビ”。目的意識が高い者同士が、もう後がないというプレッシャーの中でコンビを組んでますから、成功しやすいんですよね」(在阪の放送作家)。

さらに、在阪民放局の制作担当者も「仲良しこよしじゃなく、ビジネスパートナーとして組んだコンビですから、どちらがどうやってネタ作りをする、ネタ合わせは何曜日の何時から何時間必ずやる、この時期までにこの賞を取れなかったら解散する、など細かなルールを遠慮なく決めていける。そのシステマチックさが、売れやすさにつながるのだと思います」。

もう1つジンクスが…

また「ウーマン…」の場合は、もう1つ、ジンクスを持ち合わせてもいる。関西から全国区へと飛躍する若手芸人の登竜門とも言われる毎日放送「せやねん!」、朝日放送「おはよう朝日です」の両方でレギュラーを務めているのだ。

「せやねん!」からは「中川家」、「チュートリアル」、「千鳥」らが巣立ち、「おはよう…」は「サバンナ」、「ジャルジャル」らを輩出してきたが、両方ともに出演したコンビは異例。おのずと注目度が高まっている。

満を持して東京で勝負に出る2人。ジンクス通りの健闘を期待したい。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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