管理栄養士が教える!窒息を防ぐために離乳食から育ててほしい『噛む力』
管理栄養士のしょこです。
乳幼児期には、窒息事故が多く発生しており、特に食べ物による窒息が問題になることがあります。
消費者庁より注意喚起
離乳食から噛む力を育てることは、窒息リスクを軽減するだけでなく、よく噛まない丸呑みによる食べ過ぎや肥満のリスクを減らし、食べるための筋肉を作る上でも重要です。
また、消化を助け、食べる楽しさを感じる力を育むことにもつながります。
管理栄養士として、離乳食から噛む力を育てるためのコツを2つご紹介します。
1. 子どもの成長に合った食材の硬さと形状にしていく
柔らかい食材から始めて、少しずつ噛みごたえのある食材に移行し、噛む練習をさせます。
滑らかペースト状(下と歯茎で潰せる)→少しずつ粒あり(歯茎で潰せる)→一口大やステック状(歯茎で噛める)
月齢でこのぐらいと本に書いてありますがあくまで目安月齢なので、お子さんの食べている様子を見ながら、食材の大きさや硬さを調整してください。お子さんのお口の発達と食材の大きさや硬さの不一致も丸呑みの原因になります。
厚生労働省「離乳・授乳も支援ガイド」離乳食ざっくりスケジュール
段階ごとにざっくりまとめられているので参考にしてみてください。
噛みごたえのある食材から噛む練習まで
離乳食中期(7~8ヶ月)頃から
歯茎で押しつぶせる程度の硬さに調整し、噛む感覚を少しずつ習得させます。
後期(9~11ヶ月)以降
細かく切った野菜や柔らかい肉などを与え、噛みごたえのあるものを取り入れ、歯が生え始めたら、前歯で噛み切る練習をしてみましょう。
ステック状の握りやすい食べやすいサイズ
ポイント:お子さんが握った時に下にはみ出る長さ。短過ぎて手の中に入ってしまうと手の中に入ったものを上手に出しながら食べれないので。
2. 楽しく噛む体験を通じて咀嚼の意識を高める
噛むことが楽しい経験であると感じられるように工夫することで、自然に咀嚼を促すことができます。遊びやコミュニケーションを取り入れながら、咀嚼力を育てることがポイントです。
「カリカリ」「もぐもぐ」と音や食感を楽しむ
食事中に「カリカリ」「もぐもぐ」といった音を強調して、噛む行為が楽しいと噛む意識が自然と高まります。やわらかく茹でた野菜やおせんべいなど、音が出やすい食材を使いながら、「カリカリしてみよう!」と声を掛けて一緒に楽しむ
咀嚼の回数を増やす遊びを取り入れる
おもちゃを舐めることや歯固め、ずり這いやはいはいなど。
おもちゃや歯固め:舌や顎、唇の動きを学び、咀嚼や飲み込む力を強化します。特に歯が生え始める時期には、歯固めを噛むことで歯ぐきの刺激を受けながら噛む動作を練習することができます。また、食材を口に運んで咀嚼する感覚を徐々に身につけることにもつながります。
ずり這いやはいはい:体をしっかり支えながら食事を取る基礎体力がつき、安定した姿勢で食べ物を噛むことができるようになります。
口や体を使って遊びながらでも噛む力を育てることができます。