4〜6月のiPhoneのシェア、世界のほぼすべてで拡大 -Androidは米国以外で軒並み縮小-
英国の市場調査会社、カンター・ワールドパネルが公表した最新のリポートによると、米アップルの「iPhone」の今年4〜6月期における販売台数シェアは、米国を除く世界の主要市場のすべてで拡大した。
その一方で米グーグルの「Android」OSを採用するスマートフォンは米国以外で軒並み縮小した。
欧州/日本/中国/豪州で依然高い需要
カンター・ワールドパネルは、欧州5カ国(英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン)と米国、日本、中国、オーストラリアにおけるスマートフォンの販売データをまとめている。
4〜6月期のOS別販売台数シェアをこれらの地域・国別に見ると、アップルのiOSの欧州5カ国におけるシェアは17.5%となり、1年前から2.1ポイント増えた。
また日本におけるiOSのシェアは同2.7ポイント増の42.2%、中国では同7.3ポイント増の20.1%、オーストラリアでは同9.1ポイント増の34.6%となった。これに対し米国におけるiOSのシェアは同2.3ポイント縮小し、30.5%となった。
一方、Androidの同期間の販売台数シェアは、欧州5カ国で2.5ポイント減の71.3%。日本では同5.2ポイント減の54.4%、中国では同5.3ポイント減の79.0%、オーストラリアでは同10.6ポイント減の57.6%。
そうした中、米国におけるAndroidのシェアは同3.4ポイント増の66.1%となり、Androidは唯一米国市場でシェアを伸ばした。
iPhoneの購入動機、画面サイズ以外にも
Androidは依然、世界市場で圧倒的な強みを見せている。iPhoneは現行の「6」「6 Plus」が発売から10カ月強がたち、今年9月には新モデルが登場すると見込まれている。にもかかわらず、iPhoneの現行モデル対する需要は、欧州や日本、中国などで依然旺盛だという。
カンター・ワールドパネルによると、フランスではiOSのシェアが今年の2月以来初めて前年実績を上回った。またAndroidのシェアはドイツで年初来最も大きな落ち込みとなった。
欧州におけるAndroid端末購入者の主な購入動機は画面サイズだという。
iPhoneも「同6」「同6 Plus」登場以降、画面サイズが重要な要素となっているが、iPhone購入者は概して端末の信頼性や耐久性、材質などのより幅広い要素を購入動機にしていると、カンター・ワールドパネルは分析している。
米国ではLGとサムスンが好調
では、なぜiPhoneの販売シェアは米国で縮小したのだろうか?
カンター・ワールドパネルの調査部門を率いるキャロリーナ・ミラニーシ氏はその理由について、米国ではアップルの競合メーカーが販売を強化しているからだと報告している。
同氏によると、Androidは、欧州や中国市場で依然さまざまなメーカーが台頭し、消費者の選択肢が広がっている。しかし米国ではかつてないほどの規模で市場統合が進んでいるという。
米国におけるAndroid端末全販売台数のうち、韓国サムスン電子と韓国LGエレクトロニクスの2社が占める比率は78%に上った。とりわけLGは米国市場で好調という。
「LGは米国のシェアを2倍に拡大したほか、初めてスマートフォンを購入する顧客の獲得で、サムスンを初めて上回った」とミラニーシ氏は話している。
なお、米シーネットによると、LGは最近、北米における同社のモバイル端末の販売が1年前から36%増加したと報告している。一方でLGの本国、韓国におけるモバイル端末の販売は同29%減少したという。
(JBpress:2015年8月7日号に掲載)