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「ラーメン史上最高の一杯」がついに完成! 世界初のフードテーマパークが開業30周年!

山路力也フードジャーナリスト
開業30周年を記念して作られた「誕生、そして生きる」。

新横浜ラーメン博物館が開業30周年

世界初のフードテーマパークとして1994年に開業した『新横浜ラーメン博物館』。
世界初のフードテーマパークとして1994年に開業した『新横浜ラーメン博物館』。

 3月6日、新横浜の人気ラーメン施設『新横浜ラーメン博物館』(神奈川県横浜市港北区新横浜2-14-21 代表取締役 岩岡洋志)が開業30周年を迎える。1994(平成6)年、「全国各地のラーメンを飛行機に乗らずに食べに行ける」をコンセプトに世界初のフードテーマパークとして開業。これまでに出店した店舗数は50店舗(再出店は除く)、総来客数は2,900万人にものぼる。外国人観光客も年間で10万人ほど訪れる、日本を代表する観光スポットとしても知られている人気施設だ。

 全国各地のご当地ラーメンや海外のラーメンの調査と紹介はもとより、日本初の中華麺「経帯麺」の研究や、日本初のラーメンブームを起こした『淺草 來々軒』の調査復興など、ラーメンを一つの食文化として捉えて様々なアプローチで取り組んできた。『新横浜ラーメン博物館』の登場によって、ラーメンという食文化がより深く多角的になったことは間違いなく、ラーメンの発展における功績はとても大きい。

「あの出会いがあって今の一風堂がある」

1994年の開業時に出店した『博多一風堂』創業者の河原成美さん。
1994年の開業時に出店した『博多一風堂』創業者の河原成美さん。

 まだインターネットが本格的に普及する前、1994年の『新横浜ラーメン博物館』開業時に出店したのは『すみれ』(札幌)『大安食堂』(喜多方)『こむらさき』(熊本)など、全国各地の人気ラーメン店8店舗。その中に福岡代表として出店したのが、1985年創業の『博多一風堂』(本店:福岡県福岡市中央区大名1-13-14)だった。

 現在では国内約150店舗、海外を合わせると約300店舗を展開しているグローバル企業の『博多一風堂』だが、『新横浜ラーメン博物館』に出店時は福岡に一店舗のみの個人店。『新横浜ラーメン博物館』への出店を機に『一風堂』の名前は一気に全国区となり、海外にもその名を知られる存在になっていったのだ。

「新横浜ラーメン博物館は『第二の創業の地』」と語る河原さん。
「新横浜ラーメン博物館は『第二の創業の地』」と語る河原さん。

 「自分にとっても一風堂にとっても、ラーメン博物館の存在はとても大きく、『第二の創業の地』と思っています。僕はラーメン博物館がオープンする1年前から携わっていますが、あの出会いがあって、新しい一風堂、新しい河原成美が生み出され、今があると思っています」(博多一風堂 創業者 河原成美さん)

 現在『博多一風堂』は『新横浜ラーメン博物館』に期間限定で凱旋出店中(5月12日まで)だが、『新横浜ラーメン博物館』30周年の開業記念日である3月6日に、開業30周年を祝したスペシャルな一杯を提供する。その名も30周年お祝いラーメン「誕生、そして生きる」だ。

史上最高の一杯「誕生、そして生きる」

開業30周年を記念して作られた「誕生、そして生きる」。
開業30周年を記念して作られた「誕生、そして生きる」。

 スープは秋田県産高原比内地鶏や愛知県産名古屋コーチン、山形県産最上川ファームSPF豚ガラロース、鹿児島県産黒牛骨そばなどの厳選素材を使い、鶏豚牛の3種類の動物系素材を大分久住高原から湧き出る天然温泉水で抽出。タレは小豆島産の生搾醤油をはじめ3種類の醤油と、福岡糸島産の炊塩と焼塩など3種類の塩、味噌は愛知県産八丁味噌など3種類の味噌と、調味料も3種類にこだわった。

 麺は福岡県産ミナミノカオリ、北海道産きたのまるこ、滋賀県産びわほなみと3種類の小麦に国産臼挽きの焙煎全粒粉を合わせ、内モンゴル産かん水を配合。30周年に合わせて麺の細さは切刃30番の細麺にした。チャーシューも広島県産瀬戸もち豚、熊本県産天草大王、群馬県産上越和牛サーロインに山形県産米沢牛の牛すじ煮込みと、こちらも鶏豚牛の3種類を使った。このラーメンのためだけに佐賀県有田焼田舎粉引の丼も特注した。

福岡県産ミナミノカオリ、北海道産きたのまるこ、滋賀県産びわほなみに国産臼挽き焙煎全粒粉を配合。
福岡県産ミナミノカオリ、北海道産きたのまるこ、滋賀県産びわほなみに国産臼挽き焙煎全粒粉を配合。

 鶏豚牛、そして醤油塩味噌が渾然一体となったスープが白眉の出来。天然温泉水で抽出することで素材の良さを極限にまで引き出すことに成功。食べ進めるうちに様々な旨味の層が顔を出し、一瞬たりとも同じ味わいにならない複雑さを持ったスープは、今までのラーメンにはなかったものだ。軽やかな啜り心地の焙煎全粒粉の風味豊かな細麺は、最後の一口までヘタれることがなくスープに寄り添っている。

 「『誕生』は夢と希望に向かって情熱を注いだピュアな気持ちを、『生きる』はこの30年間の一蓮托生、そして31年目が始まる未来へのエールを一杯の丼に込めて創りました。僕もこれまで色々なラーメンを創作しましたが、今回のラーメンは僕自身初心に帰り、1994年の頃の情熱とピュアな気持ちを持って30年間の感謝を込めて創りました」(河原さん)

一番弟子、二番弟子、三番弟子の一風堂卒業生三人も集結

河原さんの元に集結した『まんかい』奥長義啓さん『ソラノイロ』宮崎千尋さん『麺の坊 砦』中坪正勝さん。
河原さんの元に集結した『まんかい』奥長義啓さん『ソラノイロ』宮崎千尋さん『麺の坊 砦』中坪正勝さん。

 そして河原さんの想いに共感して、『新横浜ラーメン博物館』出店時の店長だった『麺の坊 砦』店主の中坪正勝さんをはじめ、『博多純系豚骨ラーメン まんかい』店主の奥長義啓さん、『ソラノイロ』店主の宮崎千尋さんと、河原さんの一番弟子、二番弟子、三番弟子の一風堂卒業生三人も集結。「一風堂ドリームチーム」による奇跡のコラボレーションが実現した。

 「ラーメン博物館出店時の店長として、僕と二人で店を回していたのが中坪。奥長はこのラーメン博物館で一風堂を食べて弟子入りしてきました。千尋と初めて会ったのもここラーメン博物館。縁のある場所でこうしてまた彼らと一緒にラーメンが作れるのは嬉しいですね」(河原さん)

30周年への感謝と祝福の気持ちを込めた一杯

『新横浜ラーメン博物館』館長の岩岡洋志さん(右)にラーメンをふるまう河原さん。
『新横浜ラーメン博物館』館長の岩岡洋志さん(右)にラーメンをふるまう河原さん。

 長年ラーメン業界のトップランナーとして走り続けてきた河原さん自身が「今考え得る最高の一杯」という会心の作品、「誕生、そして生きる」。この一杯が食べられるのは『新横浜ラーメン博物館』開業30周年の記念日である、3月6日だけ。ラーメン好きはもちろん、そうでない人も「ラーメン史上最高の一杯」を是非とも体感して震えて欲しい。

 「ラーメン一杯でお客さんを感動させられたら凄いこと。日常のラーメンとはまた違う、この瞬間だけのための特別な一杯を創りました。ラーメン博物館時代を共に過ごした弟子たちと共に、30周年への感謝と祝福の気持ちで一杯ずつ心を込めてお作りします。ぜひその想いと共に味わっていただければと思います」(河原さん)

河原さんの元へと集結した一風堂ドリームチーム。
河原さんの元へと集結した一風堂ドリームチーム。

【30周年祭 by一風堂ドリームチームPresents】
『30周年お祝いラーメン「誕生、そして生きる」』3,000円(税込)
日時:3月6日(水)11:00~(333食限定)
場所:新横浜ラーメン博物館地下1階『一風堂1994』
   (神奈川県横浜市港北区新横浜2-14-21)
※詳細は新横浜ラーメン博物館noteをご覧下さい。

※写真は筆者によるものです。

【参考記事:一風堂ドリームチームpresents”30周年お祝いラーメン”
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フードジャーナリスト

フードジャーナリスト/ラーメン評論家/かき氷評論家 著書『トーキョーノスタルジックラーメン』『ラーメンマップ千葉』他/連載『シティ情報Fukuoka』/テレビ『郷愁の街角ラーメン』(BS-TBS)『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレビ朝日)『ABEMA Prime』(ABEMA TV)他/オンラインサロン『山路力也の飲食店戦略ゼミ』(DMM.com)/音声メディア『美味しいラジオ』(Voicy)/ウェブ『トーキョーラーメン会議』『千葉拉麺通信』『福岡ラーメン通信』他/飲食店プロデュース・コンサルティング/「作り手の顔が見える料理」を愛し「その料理が美味しい理由」を考えながら様々な媒体で活動中。

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