アドラー心理学「嫌われる勇気」の承認欲求
こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。
今日は、「嫌われる勇気」ついてお話したいと思います。
嫌われる勇気は、2013年に発売された、アドラー心理学についてわかりやすく書かれた本なのですが、「嫌われる勇気」というキャッチーなタイトルだったということもあり、ホント売れに売れました。「累計200万部突破!」とのことで正に大ベストセラーになった本と言っていいかと思います。
もちろん私も読みました。今は、読んで誰かに貸したまま、何処に行ってしまったのか、わからなくなっている本でもあります。
最初、私は、この本を読む気にはなれませんでした。というのは、この本は、自分に必要があるとは思えなかったからです。私(竹内成彦)は、勇気などあるわけではありませんが、私を嫌う人からは、普通に嫌われています。だから、わざわざ勇気を出して、これ以上、人に嫌われることないだろう…と思った次第です。
とまあ、私のことは置いといて、「この本にはどんなことが書かれているか?」と言いますと、ひとことで言えば、「人目を気にするな」「人から嫌われることを恐れるな」「人から承認されることを求めて人間関係を構築していくな」ということが書かれてある…ということです。
アドラーは、全ての悩みは対人関係であると言っています。そしてその悩みは、次の3つを解決すれば、解消されると言っています。ひとつめは、「対人関係において、必要以上に承認欲求を満たそうとするな」ということ。ふたつめは、「対人関係において、必要以上に競争意識を持ち込むな」ということ。みっつめは、「他者と自分の課題を混同するな」ということです。
例をあげて言いますと、
私はユーチューブに動画を毎日アップしていますが、私が「皆からグッドボタンを押されなくっちゃ嫌!」と思っていたら、もしくは、誰かにバッドボタンを押されるのを必要以上に恐れていたら、ユーチューブを続けられなくなってしまうと思います。これが、ひとつめの「必要以上に承認欲求を満たそうとするな」ということです。
続いて、
私が「人気ユーチューバーに比べて、自分のチャンネルは登録者数が少ないなあ」ということを悩み始めたら、やっぱりユーチューブを続けられなくなってしまうと思います。これがふたつめの「競争意識を持ち込む」なということです。
続いて、
私の課題は、ためになる動画をユーチューブにアップすることです。他者がグッドボタンを押すかバッドボタンを押すかは、100%他者次第です。私にはどうすることも出来ません。だから、「いちいち一喜一憂するな」ということです。これがみっつめの「他者と自分の課題を混同するな」ということです。
如何でしょう? 私が言っていること、
および、アドラーが言いたかったことがおわかりになられたでしょうか?
続いて、アドラーは、対人関係の悩みから解放されたかったら、
自己を受容せよ
他者を信頼せよ
他者に貢献せよ
と言っています。
よりよく生きるために、どうぞ参考にしてください。
ただ私は、「嫌われる勇気」を読んで感動した人には申し訳ないのですが、私は、アドラーの「すべての悩みは対人関係にある」の言葉には賛同できません。人には、対人関係の悩みもあれば、お金の悩みも病気の悩みもあるからです。
それに、アドラーが熱弁している承認欲求にしたって、有名な欲求5段階説を唱えたマズローいわく、「承認欲求」というものは、「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求」が満たされたのちに生まれるものだということです。
事実私には、いくつかの悩みがありますが、私の上位にある悩みは、対人関係の悩みではなく、自分の脳の脆弱さにまつわる悩みばかりです。
あと私は、「嫌われる勇気」を読んで、人の目を気にしなくなる人が増えることを危惧しています。というのは、もう少し人の目を気にしたほうがいい人が、世の中にはたくさんいるからです。たとえば、喫煙禁止区域をくわえ煙草で歩く人、地下鉄の電車内で優先席に座ってスマホゲームに興じている若者、そんな人に対しては、「もっと人の目を気にしろ」「恥を知れ」「嫌われる勇気ではなく、嫌われる恐怖を持て」と思ってしまいます。
と、最後は、年寄りの説教になってしまいました。ごめんなさい。
というわけで、今日は以上です。
今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。
この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。