「野党は頑張れ!」徹底抵抗を求める安保法制反対デモ参加者らー憲法学者も参加「社会の骨組みを壊すな」
昨晩、安保法制が参院特別委員会で採決され、参院本会議へとまわされたのちも、国会前に多くの人々が集まってきた。「戦争させない!9条壊すな!総がかり行動」の発表によれば、約3万人が参加したという。大学生らを中心とする「SEALDs(シールズ)」、高校生らを主体とする「T-ns SOWL(ティーンズ・ソウル)」のメンバーらも参加。「憲法まもれ!」「安倍は辞めろ!」といういつものかけ声に加え、何度も叫ばれたのが「野党は頑張れ!」だった。
抗議する人々の前に現れた近藤昭一衆議院議員(民主)など野党議員らは「皆さんの声は、国会の中にも届いている。とても励まされている」とコメント。「国会で安倍首相の答弁が何回変わりましたか?まともに答弁していない」「衆院、参院、何回審議が止まりましたか?それぞれ100回止まっています!」(近藤議員)と、審議は充分として一方的に打ち切った与党に対し、政府与党による審議の強引さに異議を唱えた。
憲法学者の樋口陽一東京大学名誉教授も国会前でスピーチ。「滅茶苦茶な法案を滅茶苦茶なやり方で通そうとしている。これは違憲とか違法とかの問題だけじゃない。社会の骨組みそのもの自体が壊されようとしている」「外国軍を守る法案のために国家の尊厳を売り渡した!」と安倍政権への憤りをあらわにし、「これからが(抗議活動の)始まりです!」と訴えた。
SEALDsのメンバーとしてマイクを握った、かりんさんのスピーチもその場にいた人々の大きな拍手喝采を受けていた。「イラク戦争では大量破壊兵器があると先制攻撃が行われた。ウソから始まった戦争で10万人が殺された。この戦争から生まれたのがIS(イスラム国)であり、戦乱は今も続いています。その戦争の検証もしない」と米国の独善的な戦争を批判、ただただ米国を支持する安倍政権含む自民党の反省のなさを指摘。「強行採決した後、人々はすぐ忘れると安倍政権は考えているかもしれません。しかし、私は忘れません。主体的に動く人々はいつもいる。私達はいなくなりません!」と、安保法制の強行採決後も活動を続けると宣言した。
安保法制の採決を行う参院本会議は本日10時からの開催予定。だが、野党側も内閣不信任決議案を提出するなど、与野党の攻防は最後の最後まで続きそうだ。国会前でも、今日18日朝から抗議する人々が集まりつつあり、夕方以降、大規模な抗議活動が予定されている。
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