夫婦で異なる名字をつけてもよくなった時、子供が二人いたら、それぞれ別の名字をつけるのはありか無しか
・本人が望めば婚姻後も婚姻前の名字を名乗り続けられるように法改正すべきであるとの考えを持つ人は42.5%。現行法を維持すべきとの意見29.3%を上回る。
・仮に婚姻前の名字を名乗り続けられるようになり、夫婦間の名字が異なる選択をした夫婦において子供が二人以上いる場合、子供同士の名字が異なってもよいと考えている人は1割強に留まる。
・名字の異なる夫婦間で二人以上の子供に対して子供同士の名字が異なってもよいか否かとの問いに対する否定的意見の多さは、属性別で大きな違いは無い。男性30代・女性40代で肯定的意見がやや多めという程度。
日本の法律では婚姻状態にある夫婦は同じ名字(姓)を名乗らねばならない。仮に法改正によって夫婦で異なる名字(それぞれ婚姻前の名字)を名乗れるようになり、その適用をした夫婦において子供が二人以上いた場合、それぞれ別の名字をつけてもよいとする考えを肯定する人は1割強に留まっていることが、内閣府が2018年2月に発表した「家族の法制に関する世論調査」(※)の結果から明らかになった。
今調査結果によると、夫婦は同じ名字を名乗らねばならない現行法体制に関し、現行法維持派は約3割、旧姓を選択可能にできるよう法律を変更するべきだとする派は4割強、同じ名字の使用は現行法通り・通称の利用は法的に認めるべきだとする人が2割強に達している。
そこで仮に「夫婦が婚姻前の名字を名乗ることを希望していた場合、それぞれ婚姻前の名字を名乗ってもよい」と法が改正されたとして、その法に基づいて夫婦が別々の名字を名乗り、さらにその夫婦に子供が二人以上いた場合、それぞれの子供に別々の名字をつけてもよいのか否かを尋ねたのが今回の項目。
具体的には「夫:佐藤」「妻:田中」という別姓夫婦がいて、「子供A」「子供B」がいた場合、「子供A:佐藤」「子供B:田中」との名字をつけてもよいか否か(「子供A:田中」「子供B:佐藤」でもかまわない)。設問では「それぞれの婚姻前の名字(姓)を名乗っている夫婦に二人以上の子供がある場合、子供同士(兄弟・姉妹)の名字(姓)が異なってもよいという考え方について、あなたは、どのようにお考えになりますか」とある。
全体として肯定派は少数で1割程度でしか無く、否定派がほぼ2/3を占めることとなった。「よくわからない」との意見留保派も多めで、2割に届いている。
それぞれの回答の具体的理由までは今調査では尋ねていないが、否定派としては恐らく、状況を理解しきれない子供たちの間におけるトラブルを想定しているものと思われる。少なくとも現行では「たとえ夫婦間で別姓制度が発足したとしても、子供はすべて同じ名字にすべき」とする意見が多数を占めていることになる。属性別では男性30代・女性40代がやや多めだが、イレギュラー的な動きに近く、何らかの法則的な変動は見られない。
なお経年推移でも、目立った動きは無い。
あえていえば否定派が減り、意見留保派が増えていると解釈することができるぐらいだろうか。
少なくとも現状では、たとえ法改正で夫婦別姓が可能となったとしても、子供の名字は同一夫婦においては皆同じとすべきとの認識で、問題は無いだろう。
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※家族の法制に関する世論調査
日本全国の18歳以上の日本国籍を有する者の中から層化2段無作為抽出法によって選んだ5000人を対象に、2017年11月30日から12月17日にかけて、調査員による個別面接聴取法によって行われたもので、有効回答数は2952人。男女比は1396対1556、年齢階層比は18~29歳が253人、30代354人、40代525人、50代477人、60代566人、70歳以上777人。過去の調査も同様の様式だが、前回までは20歳以上を対象としている。
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