大盛況で幕を閉じた17年ぶりの「大相撲ファン感謝祭」 コロナ禍で嚙み締める、戻った「日常」の尊さ
10月6・7日の2日間にわたり、17年ぶりとなる「大相撲ファン感謝祭」が両国国技館で開催された。中心になって運営に奔走した岩友親方(元幕内・木村山)は、平日の開催に対して不安を吐露していたが、まったくの杞憂に終わったと言っていい。両日雨の悪天候のなか、国技館は日中から大勢のお客さんで大賑わい。どこに行っても、力士や親方、関係者はてんてこ舞いだ。訪れたファンは、そんな力士とのふれあいや各イベント、大相撲ならではのグルメを大いに楽しんでいた。
ファン感謝祭写真ギャラリー
おそらく言葉はいらないだろう。初日の様子を写真と共に振り返る。
心的充足感に満ちた感謝祭
久々の人混みに揉まれ、帰宅後ドッと疲れたことは言うまでもない。しかし、3年近くに及ぶコロナ禍で、「自粛」からしばし解放されたような空間は、懐かしくどこかホッとするもので、心的には非常に充実していた。感謝祭の感染症対策はもちろん万全で、安心して楽しめたが、何より「人混みが怖い」という感覚はまったくなかったのだ。そんなことよりも、360度どこを見回してもあふれる笑顔、館内の活気、迎え入れる力士・親方衆ら関係者がファンに見せる優しさ。たくさんの温かいものに触れて、思わずふと涙していたかもしれないとまで考える。
また、関取衆ら関係者に感想コメントを求めようと当初は考えていたが、久しぶりに会う面々が多く「元気だった?」「最近何してた?」と再会を喜ぶ場面ばかりになってしまい、そんなに久しぶりではない豊昇龍の「まだこれから出番あるんですよ。楽しいというか、頑張ります!」という慌ただしいコメントのみになってしまったことを、ここに正直にお詫びしたい。
ようやく戻ってきた「大相撲の日常」。皮肉にもコロナが教えてくれた日常のありがたみを噛み締める感謝祭であったと共に、開催に尽力したすべての人に敬意を表したい。今日から始まる秋巡業では、感謝祭に来られなかった人にも、この喜びを味わっていただけますように。