防衛省が北朝鮮ミサイル「分析中」「可能性」の判定変更
12月3日、防衛省は今年の北朝鮮ミサイル発射について分析の判断を保留していた7月31日と8月2日の発射を「分析中」から「短距離弾道ミサイルの可能性」へ、8月10日と8月16日の発射を「短距離弾道ミサイルの可能性」から「短距離弾道ミサイル」へと判定を変更しました。 防衛省:北朝鮮のミサイル等関連情報
「大口径ロケット弾」は「分析中」→「短距離弾道ミサイルの可能性」
これは7月31日と8月2日の発射について北朝鮮は「大口径ロケット弾」としているものの公開された写真にはモザイクが掛かっていた上に、韓国軍によって観測された最大速度がマッハ6.9とロケット弾にしては異常に速く、短距離弾道ミサイルの可能性が捨て切れない為です。公開写真は偽装の可能性があります。
「ATACMS擬き」は「短距離弾道ミサイルの可能性」→「短距離弾道ミサイル」
また8月10日と8月16日の発射については北朝鮮の発表写真はATACMSに形状がそっくりでしたが、イスカンデルの写真を圧縮してATACMSに偽装した説が海外の識者によって唱えられていました。しかしこの「ATACMS擬き」については、日本防衛省の判断はイスカンデルとは別の短距離弾道ミサイルという結論に至ったようです。
【関連】北朝鮮ミサイルの「分析中」「可能性」とは何を意味するのか?(2019年11月15日) - Y!ニュース
なおアメリカ軍もこの2種類については判断に迷っているらしく、「大口径ロケット弾」にはアメリカ軍のコードネームが与えられていません。「ATACMS擬き」についてはKN-24というコードネームが与えられたという報道も一部にあったのですが、その後に確認が取れず積極的に使っている様子がありません。
- KN-23 イスカンデル擬き(短距離弾道ミサイル)
- KN-24? ATACMS擬き(短距離弾道ミサイル)
- KN-25 超大型ロケット弾(短距離弾道ミサイル)
- KN-26? 北極星3号(潜水艦発射弾道ミサイル)
※大口径ロケット弾(400mm MLRS)は番号が与えられていない
※ATACMS擬きに番号が与えられた形跡はあるが確認が取れない
※大口径ロケット弾(400mm)と超大型ロケット弾(600mm)は別
※超大型ロケット弾は大きさと性能が短距離弾道ミサイル並み