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「本気度」を診断する3つのチェック項目

横山信弘経営コラムニスト
本気度が高まると「眼力」が備わってくる……(写真:アフロ)

本気度を見極めるバロメーター

私は企業の現場に入り、目標を絶対達成させるコンサルタントです。「絶対達成」と言うからには、その事業に携わる人の「本気度」が高くないと、どれだけノウハウや知識、行動力があろうと成し遂げられません。それでは、どうすれば人の「本気度」を調べることができるのでしょうか? 本気でない人の「本気度」をアップすることができるのでしょうか?

ビジネスにおいても、プライベートな事柄であっても、「もっと本気になろう」「もっと頑張ろう」と奮い立たせようとしても、なかなか自分が期待した通りの「必死さ」や「覚悟」を手に入れられるわけではありません。他人に対してもそうです。「もっと本気になってくれ」と言葉だけで訴えても効き目はありません。「自分なりに本気だ」「私だって本気でやってます」などと反論されてしまうと、返す言葉がありません。話が噛み合わないのです。

「本気度」は、客観的な評価をしづらいバロメーターだからです。

「本気度」を診断する3つのコスト

それでは、どうすれば「本気度」をチェックすることができるのでしょうか? その人が本気かどうかは、【自己投資にかけたコストの量】によって推し量ることができる、と私は考えています。

何かを本気で取り組もうとしたとき、自分の中にあるリソース(資源)だけでは物足りない場合が多々あります。それを補うために自己投資をします。自分を磨かないと目的が達成されない。だからこそ本気になって自分を成長させようとするものです。その投資にかけたコストの量が、本気度を推し量るバロメーターになるのでは、ということです。そのコストには3種類あります。

「精神的コスト」と「経済的コスト」と「時間的コスト」です。

「精神的コスト」について

お金や時間をかけなくとも、チャレンジして自分を磨くということはあります。しかし多くの場合は、これまで慣れ親しんできた習慣を変えなくてはなりません。したがって「面倒だ」「億劫だ」と思うことも多々あるはずです。「労力」「ストレス」がかかるのです。これら「労力」「ストレス」を総称して「精神的コスト」と呼びます。

しかし本気であれば、こういった「精神的コスト」も気にならないはずです。反対に、本気でない人は、少しでも面倒なことがあれば、いろいろな「言い訳」を口にして実践しないままにしておくことでしょう。「精神的コスト」は一番厄介で、しかし最も貴重なコストとも言えます。過去と違うことに対して果敢にチャレンジしている姿を見れば、誰もが「本気だ」と思うに違いありません。

「経済的コスト」について

お金はとてもわかりやすいバロメーターです。自己成長のために学習するための投資、自分を磨くためにオシャレになるための投資などは、本気であればあるほど、かけてしまうものです。「お金をかけた分だけ期待リターン(見返り)が見込めるかどうか」などと、「投資対効果」のことばかりを口にする人は「本気度」が低いのです。会社の社長も同じで、なるべくお金をかけずに売上をアップしたい、人材育成したいと言っている人は「本気」だとは言えないのです。

「時間的コスト」について

何かに本気であれば、その物事を考える時間がどうしても増えるもの。それほど苦痛を感じることなく、無意識のうちに考え、「どうしたらうまくいくのだろう」といろいろな推論を立てては打ち消す、この繰り返しをしてしまうものです。本気であればあるほど、その物事に対して考えたり、努力したりする「時間」が、本気でないときよりも増えることは間違いありません。

自己投資を繰り返すことで「本気度」がアップすることも

まとめると、仕事でも恋愛でも「本気度」を計測するには、そこにかけた「精神的コスト」と「経済的コスト」と「時間的コスト」の量がどれぐらいあるのか、がひとつの尺度になると私は考えています。「私は本気です」「俺は本気だ」と声高に叫んでも、自分を磨くための投資をした形跡が見られないというのであれば、その「本気度」を疑ってもいいのです。

逆に、自己投資を繰り返すことで、自然と「本気度」がアップしていくことはあります。誰かの要請で「やらされ感」たっぷりにスタートした仕事でも、時間や労力をかけていくうちに、熱が入り、打ち込んでいくということはあるのです。まさに「本気度」を醸成させていく王道プロセスです。同じ場所に留まり続けて「本気」で打ち込めるようなものがどこかにないかと探していても見つからないのはそのせいです。必要以上に行動すること、考えることで脳内に「摩擦熱」が発生し、心に火をつけていくことを覚えておきましょう。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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